昔昔、貧乏旅行が趣味でした。暇をみつけては色々な場所に出かけたものです。(とはいっても本格的な旅人の方々から見ると、お笑いなのですが)そんな中から『水』にまつわる思い出を書いてみたいと思いますので、お付き合い下さい。十数年ぶりにベネチアを訪れることができました。しばらく仕事を休ませていただいた罪滅ぼしに若干のご報告させていただきたいと思いますので、宜しくお付き合いのほどお願いします。


サンマルコ広場から、総督の宮殿前を通ってラグーンに面した大通りを下っていったところに、「海洋歴史博物館」というかなり大きな博物館があります。何の変哲もない建物なのでうっかり通り過ぎてしまうかもしれませんが、人の背丈より大きな船の碇が、エントランス前に飾られているのが目印です。
入館すると、通常の国営博物館と違ってごく簡単な入場券売り場で、愛想のいいおじちゃんが30年位前の映画館の切符のような入場券を売ってくれます。エントランスホールには大昔の大砲や、「ウェットスーツを着た兵士がまたがって乗る小型潜水艇」などというイタリア軍のびっくり秘密兵器などがなんだか無造作においてあります。
しかし、このなんとなくやる気のなさそうな博物館は、ベネチアがいかにして「地中海の女王」になったのかを熱く語ってくれるのです。
展示は中世の交易用の帆船やオールでこぐガレー船(実物の船首もあります)、総督の豪華絢爛極まる御座船から、ナポレオンがベネチア共和国をオーストリアに引き渡す条約にサインした時のペン、各種のゴンドラから世界大戦の時の軍艦、はてはわが日本の豊臣秀吉の旗印や大阪の商店の法被までと極めて充実しています。
ところでこの法被、マネキンが着ているのですが、懐にはちゃんと年季の入ったソロバンが一丁はさんであるのです。「ベネチアの皆さん、儲かりまっか~。」
(ぼちぼちと、つづきますわ)


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