昔昔、貧乏旅行が趣味でした。暇をみつけては色々な場所に出かけたものです。(とはいっても本格的な旅人の方々から見ると、お笑いなのですが)そんな中から『水』にまつわる思い出を書いてみたいと思いますので、お付き合い下さい。十数年ぶりにベネチアを訪れることができました。しばらく仕事を休ませていただいた罪滅ぼしに若干のご報告させていただきたいと思いますので、宜しくお付き合いのほどお願いします。


船が交通の主体の街とはいえ、本当に色々な船が行きかっています。
例えばゴミの収集も船でやってきますが、街角ごとのゴミステーションに寄るというわけにも行かないので、ある程度台車に集積してから台車ごとクレーンで船に…乗せるのかと思いきや、台車の底がガバと開いてその中身を船のゴミコンテナに移します。ところでこのクレーンにメーカー名が黒く「FERRARI」と書いてあるのですが、多分スポーツカーメーカーとは全く関係ないと思います。こんな使われ方をしている「フェラーリ」も世の中にあるんだと妙に感心したりして。
そうかと思うと、電器屋さんが大型テレビの納品にやってきました。船の上には納品を待つ洗濯機だか冷蔵庫だかが積んであり、まだまだお得意様を回る様子です。その隣では青物屋さんがオレンジの箱を降ろしていて、終わると鼻歌交じりにハンドルならぬ舵輪を握ります。運河がほとんど船の幅位しかないところでも全く動じる様子はありません。それどころか橋が非常に低いところがあり、お兄さんはちょっと首をすくめながらも余裕で通っていきます。POLIZIAのマークがある、青と白のパトロールボートがやってきます。運河の両側にニラミを利かせる女性警察官はなかなかの美人さんで、行きかう船のお兄さんたちの注目を集めていますので、かえって交通の安全を妨げるかもしれません。
あるとき、水上タクシーに乗ったところ、運転の中年男性の隣に13,4歳位の少年が立ってロープ結びや荷物運びを手伝っています。おそらくこの船の二代目なのでしょう。こうして世代から世代へと絶妙な操船技術が伝えられていくのかもしれません。



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