ざっくりまとめると
人に良いからといって猫、犬にミネラルウォーターを与えるのは危険です。

猫、犬にミネラルウォーターを与えると、尿呂結石になる原因になります。

ペットには、ミネラルを含まない純水(ピュアウォーター)を与える事が一番安心です。

人によいミネラルウォーターも動物には注意

動物にミネラルウォーターは危険
おいしく飲めて新鮮なミネラルウォーターは、毎日の飲み水として人気が集まっています。
水を毎日飲むことに加えて、含まれるミネラル分も健康にいいとされているため、人の体には嬉しいものであるはずです。

そのため、いつもそばで暮らしている犬や猫などの動物にミネラルウォーターを与えているという方も多いのではないでしょうか。

しかし、ミネラルウォーターを動物に与えるのはいささか危険です。それが原因で、動物たちは体調を崩してしまう可能性があるのです。

過剰なミネラル分が動物の健康に影響を与える

人の体によいとされるミネラルウォーターも、犬や猫などの動物には悪影響を与えてしまう可能性が胃あると言われています。

それは、お水に含まれるミネラル分に起因すると考えられています。

動物たちの体は人のようにうまくミネラル分を代謝することが難しく、体に残ったミネラル分が結石となって犬や猫たちの健康を害してしまうかもしれないのです。

動物たちにミネラルウォーターを与えるとどうなる?

犬や猫などの動物たちにミネラルウォーターを与えてしまうと、そこに含まれるミネラル分が影響を与えてしまう危険性があります。

では、ミネラル分が動物たちに与える影響とはどのようなものなのでしょうか。

特に影響が出るのはマグネシウム

ミネラルウォーターにはいろいろなミネラル分が含まれていますが、その中でもマグネシウムには注意が必要です。

マグネシウムは、犬や猫がかかりやすい尿管結石症の原因となる結石を作るもととなる可能性が高いのです。

動物たちにミネラルウォーターを与えるのはよくないとされているのは主にこのためで、結石ができやすくなるリスクが上がるという面を持っているのがミネラルウォーターというわけです。

さらに、人が服用する便秘薬としても用いられるマグネシウムは、人には問題ない量でも犬や猫では下痢を起こしてしまうことがあります。

尿路結石になる原因

動物たちが尿路結石を患ってしまったとき、その結石の種類をいくつかに分けることができます。

ストルバイト

犬猫の尿路結石で代表的なものの中で代表的とされるのが、ストルバイトと呼ばれる物質が構成する結石です。


ストルバイトとは、リン酸マグネシウムアンモニウムの水和物であり、マグネシウムを含む化合物です。

ミネラルウォーターに含まれるマグネシウムがこの物質を作る一助となり、結石を構成してしまうことがあると考えられています。


さらにこの物質は酸性通常の酸性尿なら簡単に溶けていきますが、食事などの原因で尿がアルカリ性に偏った場合は溶けることができず、尿管にとどまったままになってしまうことも一因です。

シュウ酸カルシウム

これも結石の成分としては多く見られる化合物です。

ミネラルウォーターに含まれるカルシウムが原料の一部となり得ます。

この物質はどのような液体にも溶けにくい性質を持ち、尿管にとどまりやすいのです。

つまり、ストルバイトのようにアルカリ性の尿なら溶けにくく、酸性の尿なら簡単に溶けるといった性質を持たないため、尿のph値がどちらに傾いても発生のリスクの増減はないことになります。

尿が少なく濃くなってしまう

ミネラルウォーターに含まれるミネラル分が上記のような結石を作ってしまう一因になることは否定できませんが、やはり尿となる水分量が減ってしまって濃度が濃くなることは気を付けるべき要因です。


これは、摂取するミネラル量とは別の位置にある問題で、例えばお水をあまり飲ませなかったり適度な運動をさせなかったり、また消化の悪い食べ物を与えたりなどといった原因も結石の原因として挙げられるのです。


十分な水分量の尿をコンスタントに排出することができれば、結石になりうる物質が結晶化する前に尿となって出ていきます。

尿の量が少ないことでトイレの回数が少なくなればその分結晶が尿管にとどまる時間が長くなりますし、濃度が濃ければ結晶が大きくなる確率も高くなるというわけです。

人によいからといって動物に与えるのは危険

人の体によいものが必ずしも動物たちによいものとは限りません。

特に体の仕組みとして、人より小さい動物たちは人と同じような代謝力を持たないものです。
そのため、人が摂取しても問題ないものが動物たちにとっては毒となるパターンも多いわけです。

ミネラルウォーターもその一例と考えることができ、人が問題なく飲んでいるものが思わぬ結果を招いてしまうことも頭に置いておくべきでしょう。

ミネラルウォーターを与えるなら軟水を

動物には軟水を
過剰なミネラル分が動物の尿路結石症のリスクを上げる恐れがあることは否定できませんが、必ずしもミネラルウォーター全般がだめというわけではありません。


チェックするべきところは、ミネラルウォーターか否かということではなく、お水の硬度が高いか否かということです。

硬度とは、お水に含まれるマグネシウムやカルシウムの割合を示すものであり、多く含まれると硬度が高い硬水、少なければ硬度の低い軟水となります。


ミネラルウォーターの中には水道水よりも硬度の低いものも存在するため、そのようなものを選べば安心です。

ペット用のミネラルウォーターにするなど工夫を

普段硬度の高いミネラルウォーターを飲んでいるという方は、その延長で犬や猫などの動物たちにも与えてしまいがちですが、上記のようなリスクを考えるとあまり硬度の高いものは避けた方がよいでしょう。

水道水では塩素などの物質が不安ということであれば、ペット用のミネラルウォーターを選んで飲ませれば安心です。