水分補給の際には、適度な塩分も同時に摂るのが理想的です。

水分補給には塩分も必要
お水に対する塩分の割合は、0.1~0.2%を目安にしてください。
これはナトリウムでは40~80ミリグラムになります。

塩分、つまりナトリウムは、特に汗をかいたときには相応の量が血液から失われているので、水分補給の際にこちらも補う必要があるのです。

水分補給の際に大量のお水を一度に飲んでしまうと体内の電解質のバランスが逆に崩れてしまいます。

体調不良を引き起こすこともあるので、かいた汗の量を考えて、汗で失われた分のナトリウムを取り戻しましょう。

理想的な水分補給のための塩分のバランスが大切な理由

塩分のないお水だけを飲んでいると、血液中のナトリウムの濃度が下がってしまいます。
血液や汗にはおよそ0.9%のナトリウムが含まれます。

特に汗をかいてナトリウムが失われた際、お水だけでは血液中のナトリウム濃度が低下してしまいます。

すると、濃度がこれ以上下がるのを阻むためにお水を飲みたい気持ちがなくなり、余計な水分は尿として排泄されて脱水症になります。

水分補給時の塩分の必要性って?

これまで、のどが渇いたからといって、塩分のないお水をひたすらガブガブと飲んでしまっていた方も少なくないのでしょうか。
これは、絶対に避けるべき行為です。

私たち人間が健康であるために必要な塩分の、水分補給の際の摂取について、アドバイスも含めて、詳しく見ていきましょう。

塩分補給の必要性について

なぜ人間が塩分を必要とするのか、もう少し詳しく解説します。

かいた汗がしょっぱいのは、汗に塩分が含まれているからで、汗をかくということはつまり水分だけでなく体内の塩分も失われていることを意味します。

その際にはナトリウムだけではなく、マグネシウムなどのミネラル分も体外に排出されています。

脱水症の原因は水分と塩分の不足です。
私たち人間の体は約36度の体温をキープするために汗をかいて調節したり筋肉で熱を生み出したりしています。

塩分が不足すると神経の伝達作用や筋肉収縮量が下がるので痙攣が起こります。
さらには、心臓の筋肉の収縮力も下がるため、血圧が下がったりしてショックが起こることもあります。

血圧降下は倦怠感や脱力感の原因となります。
血液の塩分濃度を保つために、塩分なしのお水を飲んだ場合は尿としてすぐに排泄されてしまうのです。

このようなときには塩分も摂取する必要があります。

効率的な摂取には塩分+糖分

夏の熱中症対策としては、塩分と糖分を含んだお水を飲むことが推奨されています。
とりわけ運動をするときには重要で、1時間以上の運動になる場合は4~8%の糖質も摂るとよいとされています。

市販されているイオン飲料や経口補水液などは冷やして飲めばいいので手軽ですが、買いに行くのが手間な場合は自分で作ることも可能です。

お水1リットルに対してティースプーン半分(約2g)の塩と角砂糖を好みでいくつか溶かせばいいだけです。
お水があれば、家に常備しているもので簡単に作ることができるのです。

お水もウォーターサーバーなどで常備していればいつでも手軽に飲めます。
運動する場合にはナトリウム濃度は高めにしてください。

長時間の運動では血液のナトリウム濃度が下がり、熱痙攣を引き起こすことがよくあります。
糖分が過剰になって8%以上になると水分の吸収速度が下がるので注意してください。

塩分を摂るなら海塩を

塩分の取り過ぎは高血圧の原因になる、と多くの人が信じています。
これは正確ではなく、高血圧を誘発するのは精製塩、いわゆる食塩なのです。

自然海塩を高温で焼いた塩には食塩を摂取したときと異なり血圧の上昇は起きません。
食塩のほとんどの成分は化学物質である塩化ナトリウムです。

海水から、塩化ナトリウムのみを取り出して作られたものです。
海塩には豊富にミネラルが含まれています。

人間に必要な塩分、ミネラルを摂取しようと思ったら自然の恵みである海塩が最適です。
産地や製法により成分は異なりますが、食塩のようなストレートな塩気よりも味がまろやかです。

お水に塩をわずかに加えて水分補給をするならば、ぜひ海塩を使ってみてください。
お水はこまめに飲めるようにウォーターサーバーで常備しておくと良いでしょう。

自発的脱水を避けるために塩分は必要

脱水症状にならないための塩分補給
大量に汗をかいて脱水状態にあるときにお水だけを多く飲むと、体液中のナトリウムの濃度が下がり、喉の渇きがストップするので水分補給の行動が止まってしまうことを自発的脱水といいます。

お水の飲み過ぎで自発的脱水にならないように気を付けなければなりません。
ただのお水ではなく、塩分と糖分を含んだお水を摂取すると、吸収が早いので脱水からの回復のスピードが速くなります。

体液の量の戻りに違いが出るのです。
ただ、自分で塩分や糖分などを加えて作るときには入れ過ぎに注意してください。

お水のがぶ飲みは避けよう

お水だけを一度に大量に飲むことはさらに脱水状態を加速させてしまうことがわかりました。
特に猛暑のシーズンや運動をしたときには、汗をたくさんかきます。

このようなときには、のどの渇きを感じる前にこまめに、塩分を0.1~0.2%含んだお水を飲むように心がけてください。