生理食塩水の特徴は水分補給時の浸透性が高いこと

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生理食塩水は体の中の水分と似た性質を持っており、浸透しやすいと言われています。

体液と似ているため、浸透しやすく体の水分バランスを崩さずに水分補給ができます。

体の60パーセントから70パーセントは水分でできており、水分が減ったり体液のバランスが崩れたりすることで体調不良を起こします。

そのため、常に水分を十分に摂取する必要がありますが、余分な成分が入ったものやジュースなどは吸収を妨げてしまうことがあるのです。

水分補給には浸透しやすさを考えることが必要となります。

人間の体液と同じ生理食塩水

人間の体液は細胞内液と細胞外液に分けることができます。

そのうち細胞外液は0.9パーセントの食塩水と同じような性質を持っています。

生理食塩水は、その0.9パーセントの濃度でできており、吸収されやすく、体内で細胞外液として生かせると言われています。

濃度が薄くなったり濃くなったりすると体はバランスを取るために働くため余計な負担がかかります。

⇒水分不足とめまいの関係に関する記事はこちら

水分補給に適した飲み物選び

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水分補給を行う時には、吸収しやすくて体内で正しく働いてくれるものを選ぶことが必要となります。

水分を摂っても吸収されなければ無駄になりますし、体内の濃度が変わると体に負担となります。

また、飲み物によって体液が薄まってしまうと水分を排出するために腎臓がフル稼働します。

反対に濃すぎても水分を必要以上に溜め込もうとしてむくみが出る可能性もあります。

生理食塩水は刺激が少ない

生理食塩水をあまり使ったことがないという人も多いですが、医療現場などではよく使用されています。

体液と似た性質のため、刺激が少なく安全なものです。

医療行為で使われている

生理食塩水が飲用としてではなく、医療行為に使われる方法としては身近なところでは鼻洗浄や点滴などがあります。

鼻や目などにもしみないので安心です。

また、点滴や注射で薬剤を混ぜて使う土台となるのも生理食塩水です。

熱中症などの時に水分補給として点滴することもあります。

ナトリウムと生理食塩水

生理食塩水の塩分が大切なのは、ナトリウムが細胞の浸透圧に関係しているためです。

ナトリウムの濃度が低い方から高い方へと水分は移動する性質を持っており、これによって細胞や血管の内と外での水分のやり取りができます。

また、反対にナトリウムのバランスが整っていれば、水分のやり取りはされず、体内で水分が保持された状態ができ上がります。

水分が失われる、排出されるのはナトリウムが少ないためであり、ナトリウムも一緒に補わないと水分補給をしても効果が薄くなります。

濃すぎると、水分を体が必要として水分を溜め込むようになり、高血圧となったりします。

高血圧の人がむくむのは、水分を溜め込む性質のためです。

生理食塩水は水分補給に使いにくい?

生理食塩水は、0.9パーセントの塩分が入ったお水なので、水分補給として飲むことに抵抗を感じる人もいるでしょう。

実際には生理食塩水自体は、飲用としてではなく鼻や目、怪我などの洗浄に使うことが多くなります。

実際に水分補給用として使われやすいのは、経口補水液という生理食塩水と同じ性質を持った飲み物です。

経口補水液は

経口補水液は浸透圧のためにお水に塩分と糖分が含まれている飲み物です。

糖分を含めることでカロリー投与の役割も持っています。

スポーツドリンクも同じ要領で作られたもので、メーカーによってその配合は違いがありますが、同様の役割として使われるものです。

ただし、糖質が入っているため、飲みすぎるのは問題です。

水分や塩分を特に失いやすい環境でピンポイントに使用するようにすることが必要となるでしょう。

自分で作る生理食塩水と同じ成分

生理食塩水は飲みにくいこともありますが、市販はされていないため手に入れにくいという面でも飲用としては使いにくさを感じます。

同じような作用を得て水分補給に活かしたい人は、飲みやすいものを自分で作ってしまうと便利です。

基本は0.9パーセントの塩分量として、甘味を足したい場合にはその分の塩分を減らして糖を加えます。

また、レモンなどで味を調節することもできます。

生理食塩水の自作をするには、水道水やミネラルウォーターのように余分な成分が入ったものは向いていません。

余分な成分の入っていないお水を使うと上手に作れそうです。

お水と塩分で適切な水分補給

生理食塩水の摂取は水分補給をするために効果的な方法ですが、手に入れにくいのが難点です。

自作も面倒という人も多いでしょう。

また、同じような効果が得られる経口補水液もいちいち毎日の水分補給のために購入するにはコストがかかって大変です。

こうした問題点を解決するには、お水と塩分を別々に摂取することで手軽に水分の吸収を高めれば良いでしょう。

塩分摂取の方法としては、塩そのものを舐めることもできますが、キャンデーやタブレットなど手軽に手に入りやすいものも多くあります。

それと一緒にお水を飲めば、生理食塩水を飲んだのと同じような環境を体の中に作れます。

ミネラルウォーターもナトリウムをはじめとするミネラルを含んでおり、バランスが良さそうに見えますが、実際にはかなり少ない量なので単体では体液と近い性質にはなりません。

⇒水分を過剰摂取した場合のデメリットを解説した記事はこちら

お水だけの水分補給プラスワンを

生理食塩水は体の水分バランスに近い性質を持っており、体内で体液として効率よく活かせるものです。

水分補給として、体液との違いが大きいものを摂取すると、体調を崩す可能性もあります。

効率よく安全に水分補給をするのであれば、生理食塩水のように体液に近いものを摂取するとよいでしょう。

汗をかいた時には、水分だけでなく塩分も失われているものです。

そのため、水分だけでなくそれに塩分をプラスしたものを取ることが必要となります。

生理食塩水で水分補給する効果とメリット

水分補給は適切な飲み物を使うことで安全に行えるものです。

生理食塩水が手に入らない場合でも、それに似た効果を出せるような飲み方を工夫してみましょう。