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マメーズ焙煎工房店主・椎名香の教える
美味しい珈琲の淹れ方

美味しいコーヒーの入れ方セミナーも開催されている、スペシャルティコーヒー専門の自家焙煎ブランドMAME'S(マメーズ)主宰・椎名香さんに、美味しいコーヒーの入れ方について教えていただきました。

淹れ方の違い

コーヒーの淹れ方には、いくつかの方法がありますが、基本的にはカフェプレス・ドリップ・エスプレッソの3種類です。

まず最初は、お馴染みの「ドリップ式」。 これは、ドイツ人のメリタさんが始めた方法で、コーヒーの粉に上からお湯を注ぎ、コーヒー成分を漉し取りながら抽出します。

次に、最近良く見かけるようになりましたカフェプレスに代表される、「浸し法」です。 これは、コーヒーの粉に対してお湯を直接注ぎ、混ぜ合わせて数分待ってから、お湯に移ったコーヒー成分を飲むという方法です。
お水にコーヒーの粉を浸しておくことで、アイスコーヒーを作る「水出し」もこの浸し法ですし、煮出す場合も同様ですね。 そして、あと1種類は、これもご存知「エスプレッソ」です。

この方法は、唯一コーヒー粉に人為的に圧力をかけて、短い時間でコーヒーのエキスを抽出します。圧力をかけますので、必ず、マシンや道具が必要になります。

私は、良いコーヒー豆を正しく焙煎し、この3種のどの方法であれ正しく抽出すれば美味しいコーヒーになると考えています。
淹れ方で味が変わるのでなく、そのコーヒー豆の美味しさを最もよく引き出すには、どうすれば良いかを考えること。これが、抽出の第一歩なのです。

お湯の温度

よいコーヒー豆の複雑な香味のバランスをなるべく崩さずに抽出する際に、お湯の温度は、どのくらいが良いのでしょう。
まず95℃を超える熱湯では抽出しないということです。料理でもぐつぐつと煮立たせ過ぎることはしないように、抽出したくないエグ味や雑味が出やすくなり、香味のバランスを崩す原因となってしまいます。
人によって、あるいはお店によっては、88℃、83℃、など、この抽出温度には様々なこだわりがあるようです。

使用するコーヒー豆や、好みの味わいによって、温度を設定しているのですが、私のセミナーでは、目安は90℃とご案内しています。
そこで安定した香味が抽出できるようになれば、あとはお好みで温度を変えてみてください。
ウォーターサーバーのお湯も、あまり温度が高すぎないだけによろしいかと思います。ぜひ、お試し下さい。

抽出の時間

しかし、コーヒー豆は種類や、焙煎からの鮮度の状態によって、その反応が変わります。
ですから、その時間は絶対的なものでなく、結果的に抽出されたコーヒーの味のバランスを見ながら時間を調節することが必要です。

特にドリップでは、最初にお湯を行き渡らせる「蒸らし」の時間があります。
この時間こそ、「コーヒー豆と対話」しながら見極めるもので、ここはあまり時間に縛られずに、豆の様子を見ていただきたいのです。
豆が新鮮でムクムクと動きのある場合、それが収まって粉の粒にお湯が行き渡るのをしっかり待つことも必要です。
美味しく淹れることができた!という時、お湯の温度や、時間と手順を意識していれば、またそれを再現できるのです。

時間を意識しながらも、それに縛られない。これはちょっと難しいですが、ぜひチャレンジしてみてください。

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椎名香
Kaoru Shina

ブレンドを全てスペシャルティコーヒーで構成し、その内容をすべてオープンにするなど、今までのコーヒー業界の常識にとらわれず、「美味しさ」をいかに納得できる形で実現できるか、日々探究している。

業務用まで含めて「焙煎日」を明記する鮮度へのこだわりなど、マメーズ焙煎工房の商品そしてセミナーなどを通じて、もっとも新しい「コーヒーの今」を伝えることに邁進中。

MAME'S

マメーズ焙煎工房
http://www.mames.jp/
〒144-0052
東京都大田区蒲田1-18-5
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