母乳の約80~90%が水分でできているため、母乳の出が悪いときは水分不足の可能性があります


母乳が出ないというときは、水分不足はもちろん、栄養不足や、乳管の発達が遅れているなどが考えられます。母乳のほとんどは水分からできており、ママが摂取した水分を元に母乳を作っていきます。そのために、水分不足は母乳を出にくくしてしまい、栄養が少ないなどの理由よりも大きな原因です。

母乳で子育てしていく時期は、ママが母乳を通じて子供に栄養や水分を与えます。子供の分を考えて食生活をするようにすべきであり、いつも以上に水分や栄養を摂取しないとなりません。

母乳が出ないときは水分不足を解消しましょう

個人差はありますが、赤ちゃんが1日に摂取する母乳の量は、600mlから1,000mlぐらいです。単純に考えて、ママはその分を多く水分補給しないとなりません。

授乳は通常は3時間や4時間間隔で行い、その間にママが水分不足になると、充分に母乳を作れず、母乳不足となり、出にくくなります。

授乳時の水分

母乳は血液から作られていて、約80~90%程度が水分と言われています。授乳中は、赤ちゃんにおっぱいをあげるたびにママの身体から水分が失われていきます。

体内から失われる水分よりも補給する水分が足りないと、水分不足になり脱水症状を起こすかもしれません。頭痛や口の渇き、食欲不振などの症状があるときには多めに水分補給を行ってください。

赤ちゃんが大きく成長すると飲むおっぱいの量も増えるので、授乳量に合わせて、多くの水分補給を行うようにしましょう。離乳食が始まると授乳量は徐々に減っていきます。

乳腺炎

授乳中の水分不足は血液中の水分不足につながるため、母乳の水分も減少して乳腺がつまりやすくなる可能性もあります。乳腺炎になると、乳房に腫れやしこりができて、痛みを感じたり熱を持ったりする症状がみられます。

乳腺炎は授乳中の女性にとってかかりやすい病気ですが、乳腺組織内が細菌に感染して炎症が起こると、悪寒を感じるような高熱が出る場合もあるので注意が必要です。母乳の出が悪くなったり乳腺炎にかかったりしないように、水分補給を忘れずに行ってください。

ママが1日に必要な水分量は飲み物だけで2リットル以上

母乳を出しやすくするには、水分補給は欠かせず、また栄養補給も大切です。赤ちゃんに水分や栄養を与えるので、いつも以上に多くの水分や栄養を摂取するようにしましょう。

必要な水分を補給

成人女性に1日に必要な水分は、体重1kgで40mlと言われており、体重50kgならば2Lが必要です。そこに母乳分の水分を考慮すると、プラス1Lの合計3Lの水分を必要とします。

ただ食品にも水分は含まれており、食事からも1Lぐらいの水分が摂取できます。このため、飲み物として必要な水分は、1日に2Lということになり、この量を目安に飲み物を飲んでいきましょう。一気に1Lや2L飲んでも、体に全部は吸収されないので、1日の中でこまめに水分補給をしていくようにします。

また、のどが渇けばすでに体から水分が失われ不足しているサインなので、のどが渇く前に飲み物を飲むようにします。体から水分が減ってしまうと、母乳を作りにくくなるので、水分が体から減る前に補給するようにします。

水分と栄養が同時に摂取できる野菜ジュースがオススメ

母乳を与えて育児をする期間は、子供の世話で忙しく、食事も飲み物も摂取するのが大変です。水分不足以外にも、子供のことを考えれば、栄養不足にならないように、ママは栄養をたくさんつけるべきです。

野菜ジュース

そんなときにすすめなのが野菜ジュースであり、これなら水分と同時に栄養も摂取できます。特に日頃野菜不足になっているような方であれば、野菜をたくさん摂取できます。ミキサーを使って自分で野菜ジュースを作っても、売っているものを買って飲んでもかまいません。ただし、砂糖など入っていない、野菜だけのジュースが良いです。

農薬や産地が気になるならば、納得のいく野菜を買ってきて、ジュースにすると良いでしょう。野菜ジュースはあまり作り置きできず長持ちしないので、その日に飲む分だけ作っておきます。農薬検査などを経て、安心できる野菜のみを使って作った野菜ジュースも売られているので、そのようなジュースを活用しても良いでしょう。

糖分やカフェインを含まない飲み物を

飲み物の中でも、コーラやスポーツドリンク、ジュースなどありますが、これらには大量に糖分が含まれており、糖分は母乳の質を下げます。飲み物としてこれらを摂取するのは避けるようにして、糖分の含まない飲み物を飲みましょう。

お茶を飲むにしても、砂糖やシロップなどは入れずに飲んだ方が体のためであり、母乳にも良いです。

コーヒーや紅茶のカフェイン

コーヒーや紅茶のカフェインは、妊娠中だけでなく授乳期間中も避けた方が良く、もちろんそれらに含まれる砂糖も良くないです。1日1杯などと決めればある程度カフェインは大丈夫ですが、我慢できるならば飲まない方が良いでしょう。

アルコール

ビールなどアルコールの入ったお酒も避けるようにしましょう。アルコールは母乳に良くないのはもちろん、飲めば体で分解しないとならず、肝臓などに負担をかけます。アルコールは、そのまま成分が母乳に入り、赤ちゃんが母乳と一緒にアルコールを摂取し、先天性の疾患を引き起こしやすくなります。

赤ちゃんの栄養である母乳の質を良くする食べ物も意識しましょう


母乳は血液から作られているので、授乳期のママは不足しがちな血液を増やすため栄養のある食事をとる必要があります。やはり日頃から体に良いと言われる食品は、母乳にも良く、白米やうどん、豆腐や味噌、海草類、野菜類が良いです。

野菜の中でも、青菜は血液をサラサラにして、母乳をつまりにくくします。また甘酒やわらびもちなどの和菓子は、疲れているとき、母乳の出が悪いときに食べると、改善してくれます。

みそ汁やスープなどで栄養のある食べ物を摂取すると、水分の補給にもなるなど多くのメリットが得られるでしょう。母乳に良い栄養素とおすすめの食べ物にはどんなものがあるか、詳しくご紹介します。

鉄分

鉄分は、赤血球を作る材料になるミネラルのひとつです。妊娠中から授乳中に不足しがちな栄養素でもあり、鉄分が不足した場合には貧血の原因になりやすいです。鉄分は動物性のたんぱく質やビタミンCなどの栄養素と一緒に摂ると吸収されやすくなります。

【鉄分を多く含む食品】
ひじき、ほうれん草、小松菜、レバー、あさり、プルーンなど

カルシウム

カルシウムも母乳の材料になる栄養素です。授乳中には、ママがカルシウム不足になりやすいため、歯や骨が弱くなりやすいです。カルシウムはビタミンDやビタミンKと一緒に摂取すると吸収が良くなり、骨が強くなりやすいとされています。

【カルシウムを多く含む食品】
牛乳、小魚、小松菜、ひじきなど

葉酸

葉酸は血液の材料になり、赤ちゃんの成長にも必要な栄養素なので、妊娠中から授乳期の女性は積極的に摂取することをおすすめします。熱に弱く水に溶けやすいので、調理には注意が必要です。

【葉酸を多く含む食品】
枝豆、納豆、ブロッコリー、ほうれん草、アスパラガス、春菊など

たんぱく質

血液や筋肉など身体を作る材料になるたんぱく質は、赤ちゃんの成長に欠かせません。授乳中の赤ちゃんの成長のためにも、意識して摂取するようにしましょう。

【たんぱく質を多く含む食品】
肉類、魚類、卵、大豆、大豆製品、牛乳、乳製品など

他にも炭水化物、にんじんなどの根菜類、豆乳、青魚や海藻類、ほうれん草などの青菜も母乳を作る材料となります。

(まとめ)母乳が出ないのは水分不足が原因?

母乳の約80~90%が水分でできているため、母乳の出が悪いときは水分不足の可能性があります

母乳は80~90%が水分で作られているので、授乳中のママは水分が不足しやすいとされています。ママが水分不足の状態では、母乳の水分量が減って乳腺がつまりやすくなるとも言われています。

授乳中に脱水症状や乳腺炎にならないためには、充分な水分補給を行うようにしてください。授乳中は、水分補給の他に赤ちゃんの成長に良い栄養を摂取することも大切です。鉄分、カルシウム、葉酸、たんぱく質など、授乳時におすすめの栄養素も積極的に摂取しましょう。