水分補給の際、1回に口に含むお水は大さじ1杯程度が目安です


一般的に、お食事の前にはコップ1杯程度、約200ml程度のお水を飲むとよいと言われています。

これは、胃に過度な負担をかけず、小腸で水分を吸収する際のスピードの面からも、適切な量ということができます。

運動で体温が上昇している場合は、冷たいお水をそのまま飲みこんでも良いのですが、そうでない場合はお水を口に含み、少し温度を高めてぬるくしてから飲み込むと、身体が中から冷やされるのを防ぐことができます。

水分補給は口に含むだけではなく、体内に吸収されてはじめて「水分補給」になります

飲み込んだお水は、多くは小腸で吸収されます。

小腸で吸収できる水分量は、1時間当たりで約800ml程度と言われています。

ですから、一度に大量にお水を飲んでも、体内にすべてが吸収されるという訳ではなく、便と共に排泄されてしまうこともあるのです。

「安全に」水分補給するためにも、口に含む量にも気を配りましょう

喉が渇くと飲みたくなるお水。

喉の渇きは、体内の水分不足のサインですが、「水分補給」の面で考えると、体内に吸収されてはじめて「水分補給」と言いうことができますから、お水の飲み方や飲むものの種類にも気を配る必要がありそうです。

効率よく水分補給をするにはどうすればよいのか、飲んだお水を全て体内へ吸収させるにはどうしたらよいのか、考えてみましょう。

一度に大量に飲んでも、あまり効果はないようです

お水や水分は、もちろん体内で栄養素などを代謝する過程で作られるものもありますが、大部分は口から摂取されています。

体内でできた老廃物を排泄するために、水分は必ずといってよいほど体から奪われていきますから、最低限その分の水分補給は必要になります。

できることなら、一度に多くの水分を摂っておきたいところですが、そうとはいかないようです。

人が口から摂取した水分は食道、胃を通って小腸へ進み、大部分の水分はここで吸収されます。

ただ、小腸で水分を吸収できる量は限られていて、1時間あたりでおおよそ1Lには満たない量とされています。

ですから、一度に大量にお水を飲んでも、小腸で吸収できなかった分は大腸へ行き、大腸でも吸収できない分は便とともに排泄されます。

便秘に悩む人にとっては良い作用かもしれませんが、水分補給を目的としているのであれば、あまりありがたくはないですよね。

口に含む水分の種類によって、小腸に到達するまでには時間がかかります

水分が小腸で吸収されるのであれば、摂取した水分にはできるだけ早く小腸に到達してほしいものです。

しかし、飲んだ水分の種類によって、小腸に到達するまでにかかる時間が異なります。

お料理などを食べた際は、一旦胃にため込まれます。

消化液による消化と、胃の中で細かく分解するためです。

食べ物の場合、糖質や脂質、たんぱく質、電解質など多くの栄養素が含まれていて、そのようなものの場合は胃にとどまる時間が長くなり、たんぱく質の場合は3時間程度胃の中にとどまると言われています。

では、水分の場合はどうでしょうか?
何も含まれていないお水の場合は、比較的速やかに小腸にまで送られます。

ですが、糖質や電解質を多く含むお水の場合だと、胃の中にとどまる時間が長くなり、小腸へ送られるのはやや遅くなるため、その分体内への吸収も遅れてしまいます。

飲んだ水分が体内へ吸収され、本当の意味での「水分補給」をするのであれば、お水が一番ということになります。

ただし、激しい運動をして汗をかいた場合は、電解質であるナトリウムやエネルギー源を作り出すための糖質が消費されていますから、これを含んだスポーツドリンクなどが良いとされています。

一度に口に含む水の量や、飲み込み方にも工夫してみましょう

激しく喉が渇いて、一度に大量のお水を口に含み飲み込んだら、喉のつまりを感じたり、誤って気管に入ってしまいむせ込んだという経験はありませんか?

人間の場合、喉はそれほど広いわけではなく、また空気の通り道である気管と、食べ物や飲み物の通り道である食道の入り口は、おおよそ同じところにあるため、飲み込む量が多すぎたりすると気管に入り込んでしまう場合があるのです。

では、一度に口に含むお水の量は、どれくらいが適量なのでしょうか?

飲み込みやすさや誤嚥を防ぐのであれば、一度に口に含むお水の量は大さじ1~2杯程度が良いと言われています。

また、特に高齢の方の場合、あるいは運動していない場合では、飲み込んだお水の温度によっては、体温が一時的に奪われ、お水を飲むことで寒い思いをしてしまう可能性があります。

人の口の中は比較的温度が高く、舌の下は基礎体温の目安として用いられることもあるほどですから、口に含んだお水をそのまま飲みこむのではなく、一度口の中で温めてから飲み込むようにすると、飲水による寒気を防ぐことができます。

その際、口に含むお水の量が多すぎると、お水を温めるまでに時間がかかりますし、何より大量のお水を口に含んだままにしておくと、唇で抑え込むことが徐々に辛くなり、口角から口の中のお水があふれてしまう危険性もあります。

お水を飲む際は、1回の量は200ml程度、口に含む量は30ml以内におさめることで、身体への水分吸収を促進し、また水分補給による体温低下を防ぐことができます。

一度に大量の水分を飲んでも、すべてが体に吸収されるわけではありません


飲み込んだ水分が小腸で吸収され、体内に「水分」が与えられるのにも、上限があります。

小腸で水分を吸収できるスピードを考えると、1回に飲む水分量はコップ1杯程度が適量と言えます。

また、出来るだけ早く水分を補給したいなら、何も含まれていないお水が最適です。

糖質やナトリウムを多く含むものでは、胃にとどまる時間が長くなり、なかなか小腸へ到達できないためです。

また、冷たいお水では体温が奪われる可能性があります。

水分補給のコツをつかんで、正しくお水を飲みましょう

水分は体にとって何より重要、だからこそ体に吸収できるスピードを知って、その範囲内で飲むようにしましょう。

また、お水を飲んで体温が下がってしまっては、効果は半減します。

一旦口にお水を含んで温め、それから飲み込むようにすると良いでしょう。