1歳児が1日に必要とするタンパク質の量は15g、推奨量は20gとされています

1歳を迎えると、離乳食は完了期に入り、母乳やミルクに頼っていた栄養の多くを、日々の食事からまかなう段階に移行します。中でも成長の土台になるのがタンパク質です。筋肉や臓器、骨の形成はもちろん、免疫機能や脳の働きにも深く関与するため、過不足なく取り入れることが欠かせません。

一方で、量やタイミング、食材の選び方を誤ると負担が生じることもあります。この記事では、必要量の目安である「1日およそ15g」を軸に、具体的な食材の選び方や献立の組み立て方、実践時の注意点まで順を追ってわかりやすく解説していきます。

1歳児にとってタンパク質が重要な理由

1歳児にとって、タンパク質はまさに成長の土台となる栄養素です。具体的にどのような役割を果たしているのか見てみましょう。

成長と体づくりの基盤を支える

タンパク質は「体をつくる栄養素」と呼ばれるほど、私たちの体の構成に欠かせない成分です。筋肉、臓器、皮膚、血液、酵素、ホルモンなど、体のあらゆる部分がタンパク質を材料として作られています。

1歳前後の子どもは、つかまり立ちから歩行へ、そして走る・跳ぶといった複雑な動作を次々と習得していく時期です。これらの活発な運動を支えるためには、強靭な筋肉と骨格の発達が不可欠となります。タンパク質が不足すると、筋力が十分に発達せず、転倒時に身を守ることができなかったり、持続的な運動能力が低下したりする可能性があります。

さらに重要なのは、この時期の内臓機能の急速な成熟です。消化酵素の産生能力向上、肝機能の発達、腎機能の成熟など、生命維持に関わる重要な機能の発達すべてにタンパク質が深く関与しています。適切なタンパク質摂取により消化吸収能力が向上し、他の栄養素の利用効率も飛躍的に高まるのです。

免疫システムの構築と強化

1歳児は歩行を始めることで行動範囲が格段に広がり、また保育園への通園が始まる場合もあります。このような環境の変化により、さまざまな病原体に接触する機会が急激に増加するため、強固な免疫システムの構築が極めて重要になってきます。

免疫システムの主要な構成要素である抗体(免疫グロブリン)、白血球、補体系など、これらすべてがタンパク質を材料として作られています。また、感染症にかかった際の回復過程においても、損傷した組織の修復や新しい細胞の生成に大量のタンパク質が必要となります。

十分なタンパク質摂取を続けることで、風邪やウイルス性胃腸炎などの一般的な感染症にかかりにくくなり、仮に感染したとしても回復が早くなることが期待できます。逆にタンパク質が不足すると、免疫機能が低下し、感染症を繰り返したり、一度かかると治りが遅くなったりするリスクが高まります。

脳と神経系の発達を促進

1歳から2歳にかけての期間は、言語能力が爆発的に発達し、単語から二語文へと表現力が飛躍的に向上する時期です。同時に、手先の細かい動作能力や認知機能も著しく発達していきます。

これらの発達過程において中心的な役割を果たすのが、各種神経伝達物質の合成です。学習能力や記憶力に関わるドーパミン、感情の安定に重要なセロトニン、覚醒や注意力に関わるアドレナリンなど、これらの神経伝達物質はすべてタンパク質から得られるアミノ酸を材料として体内で合成されます。

また、身体の成長と脳の発達を同時に促進する成長ホルモンもタンパク質から作られ、主に夜間の睡眠中に分泌されます。夕食で十分なタンパク質を摂取することで、夜間の成長ホルモン分泌が活発になり、翌日の活動に必要なエネルギーと集中力が確保されるという好循環が生まれます。

他の栄養素との相乗効果

タンパク質の重要性は、単独での働きにとどまりません。他の栄養素と協働することで、その効果を最大限に発揮するという特性があります。

例えば、鉄分と結合してヘモグロビンを形成し、全身への酸素運搬という生命維持に不可欠な機能を担います。また、カルシウムと組み合わさることでコラーゲンを形成し、丈夫な骨や歯の構築に貢献します。さらに、脂溶性ビタミン(A、D、E、K)の体内輸送や貯蔵にもタンパク質が関与し、これらのビタミンの生体利用率を大幅に向上させます。

このように、タンパク質は他の栄養素と補完し合いながら相乗効果を生み出し、子どもの健やかな成長を多面的に支えているのです。

1歳児に必要なタンパク質の量とは?

では、実際にはどのくらいのタンパク質を摂取すればよいのでしょうか。科学的根拠に基づいた適切な摂取量について詳しく解説します。

厚労省の基準を参考に

厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2025年版)」では、1〜2歳児のタンパク質推奨量を1日15gとしています。

体重を基準とした場合、1歳児では体重1kgあたり1.0〜1.5gが目安となります。例えば、体重10kgの子どもであれば10〜15gが適量の範囲内となります。特に活発に動き回る子どもや、風邪などで体調を崩している回復期には、上限寄りの量を意識して摂取することが推奨されます。

重要なのは、この推奨量はあくまで平均的な目安であり、日によって多少の増減があっても心配する必要はないということです。1週間程度の期間で平均的にこの量を摂取できていれば、健康な成長には十分といえるでしょう。

<必要量の早見表(体重・配分のめやす) >

体重の目安 1日の目安量(g) 配分の例 ポイント
8kg 8〜12(体重×1.0〜1.5) 3〜4g×3食+補食1g 週平均で整えばOK
10kg 10〜15 4〜5g×3食+補食1〜2g 「およそ15g」を指標に
12kg 12〜18 5g×3食+補食2〜3g 活動量や体調で調整

出典:厚生労働省「「日本人の食事摂取基準(2025年版)」策定検討会報告書」

15gってどのくらい?

1日15gのタンパク質と言われても、実際の食材でイメージするのは難しいものです。主要な食材のタンパク質含有量を具体的に見てみましょう。

  • 卵(M1個)=約6g
  • 豆腐50g(絹〜木綿)=約2.5〜3.5g
  • 鶏ささみ・むね肉15g(生)=約3g
  • 魚10g(生)=約2〜3g
  • ヨーグルト100g(無糖)=約4g
  • 牛乳200ml=約6〜7g
  • 納豆1/2パック(ひきわり40g程度)=約4g

組み合わせプラン例

1日15gのタンパク質を効率的に摂取するための、実践的な組み合わせプランをいくつか紹介します。

  • 卵中心プラン:卵1/2個+ヨーグルト50g+豆腐50g+魚10g
  • 豆腐中心プラン:豆腐100g+鶏肉15g+卵1/2個+牛乳100ml
  • 乳製品中心プラン:牛乳200ml+ヨーグルト50g+鶏肉15g+納豆1/4パック
  • 魚中心プラン:鮭10g+豆腐50g+卵1/2個+チーズ少量

プランごとのメリット・注意点

それぞれのプランにはメリット・デメリットがあります。卵は調理しやすいですがアレルギーに注意が必要です。豆腐は消化が良いですが味が淡白になりがちです。

乳製品はカルシウムも豊富ですが鉄分が不足しやすいため、他の食材で補う必要があります。魚はDHA/EPAが豊富ですが、骨を取り除くなど下処理を丁寧に行う必要があります。

タンパク質が不足すると、体重増加が緩やかになったり、免疫力が低下しやすくなります。逆に過剰摂取すると、腎臓に負担がかかり、消化不良や便秘の原因となることもあります。

動物性タンパク質の食材と目安量

動物性タンパク質は、必須アミノ酸をバランス良く含んでいるため、効率的にタンパク質を摂取できる優秀な栄養源です。1歳児にとって適切な食材と、その摂取方法について詳しく見ていきましょう。

肉類の選び方と調理のコツ

肉類の中でも、鶏ささみや鶏むね肉は脂肪分が少なく消化しやすいため、1歳児にとって最適な選択肢です。1食あたり10〜15gを目安とし、そぼろ状にしたり蒸し鶏にしたりすることで、小さな子どもでも食べやすくなります。

調理の際のコツとして、肉のパサつきを防ぐために片栗粉を薄くまぶしてから調理すると、しっとりとした食感を保つことができます。また、野菜と一緒に煮込むことで野菜の自然な甘みが肉に移り、子どもが好む味に仕上がります。細かく刻んでハンバーグやつくねにすることで、手づかみ食べの練習にも活用できます。

豚肉や牛肉を使用する場合は、脂身を丁寧に取り除き、長時間煮込んで肉の繊維を十分に柔らかくしてから与えることが重要です。ひき肉を使用する際は、脂肪分の少ない赤身を選び、茹でてあく抜きを行うと、より安心して与えることができます。

保存方法についても工夫が必要で、1食分ずつ小分けして冷凍保存しておくと、必要な分だけ解凍して使用できるため便利です。解凍は必ず冷蔵庫で自然解凍を行い、一度解凍したものの再冷凍は食品安全上避けるべきです。

魚類の種類選択と下処理方法

魚類は良質なタンパク質に加え、脳の発達に重要なDHAやEPAも含んでいる優秀な食材です。たい、ひらめ、かれいなどの白身魚は消化がよく、アレルギーリスクも比較的低いため、魚類の導入には最適です。1食10g程度から始め、骨を丁寧に取り除いて調理することが何より重要です。

鮭、さば、いわしなどの青魚には、脳の発達に有効とされるDHAやEPAが豊富に含まれていますが、脂肪分が多いため、白身魚に慣れてから少量ずつ導入することをお勧めします。新鮮なものを選び、購入後は速やかに調理するか冷凍保存することが食品安全の観点から重要です。

魚の下処理と保存については、購入後すぐに1食分ずつラップで包んで冷凍保存しておくと便利です。調理時は中心温度が75℃以上になるよう十分に加熱し、骨の除去は複数回にわたってチェックして、小さな骨も見逃さないよう確実に行ってください。

魚を嫌がる子どもには、野菜や芋類と一緒に煮込んでスープ状にしたり、おやきやコロッケの具材に細かく刻んで混ぜ込んだりすることで、魚特有のにおいや食感を和らげて提供すると受け入れやすくなります。

全卵1個=6gです。1歳児は1/2〜2/3個を目安に与えるとよいでしょう。アレルギーがなければ毎日でも問題はありません。

スクランブルエッグには細かく刻んだ野菜を混ぜることで彩りよく栄養価も向上します。茶碗蒸しはだしの風味で食べやすく、卵焼きは少量の砂糖で自然な甘みをつけることができます。また、卵スープは片栗粉でとろみをつけることで飲み込みやすくなり、オムライスは見た目も楽しく子どもに人気の料理です。

安全性への配慮として、生卵や半熟卵は避け、必ず中心まで完全に火を通すことが基本です。卵の殻にはサルモネラ菌が付着している可能性があるため、調理前後の手洗いを徹底し、殻が料理に混入しないよう細心の注意を払う必要があります。

乳製品

乳製品は優秀なタンパク質源であると同時に、カルシウムの重要な供給源でもあります。牛乳は1日200ml前後が適量で、一度に大量に飲ませると消化不良を起こす可能性があるため、朝食時100ml、おやつ時100mlなど、分割して与えることが理想的です。

ヨーグルトはプレーンタイプの50〜100gが目安量です。砂糖が添加された製品は避け、果物や少量のはちみつ(1歳以降であれば使用可能)で自然な甘みを加える方法が推奨されます。ヨーグルトには腸内環境を整える効果も期待できるため、便秘がちな子どもには特に有効です。

チーズは個包装の1/2〜1個程度が適量ですが、塩分含有量が高いため摂りすぎには注意が必要です。カッテージチーズやモッツァレラチーズなど、比較的塩分の少ないものを選ぶことで安心して与えることができます。

乳製品摂取時の注意点

乳製品は優秀なタンパク質源である一方で、過剰摂取が鉄分の吸収を阻害する可能性があることを理解しておく必要があります。牛乳に含まれるカゼインが鉄の吸収を妨げるため、鉄分豊富な食材との同時摂取は避け、時間をあけて与えることが推奨されます。

また、冷たい乳製品は胃腸に負担をかける場合があるため、常温に戻してから与える、または温めたスープに混ぜるなどの工夫をすると消化しやすくなります。

植物性タンパク質の食材と目安量

植物性タンパク質は、動物性タンパク質と組み合わせることで、より栄養バランスの優れた食事を実現できます。消化に優しく、食物繊維も豊富な植物性タンパク質の活用法について詳しく見ていきましょう。

大豆製品の種類と特徴

豆腐

絹ごし豆腐50gで約3〜4gのタンパク質を摂取できます。消化が良く、柔らかい食感で1歳児にも受け入れやすい食材です。スープ、煮物、そぼろ炒めなど様々な料理に活用できます。調理のコツとして、水切りをしっかり行うと味が染み込みやすくなります。また、手づかみ食べの練習には、豆腐ハンバーグや豆腐団子にすると持ちやすくなります。

納豆

ひきわり納豆1/2パック(約25g)で約4gのタンパク質が摂取できます。粒納豆よりもひきわり納豆の方が消化しやすく、1歳児には適しています。粘りが苦手な場合は、熱湯をかけて粘りを軽減する、細かく刻んだ野菜と混ぜる、おにぎりの具材として使うなどの工夫が効果的です。

高野豆腐

戻した高野豆腐20gで約10gの高タンパク質を摂取できますが、1歳児には量的に多すぎるため、少量ずつ使用します。だし汁で煮含めると柔らかくなり、うま味も加わって食べやすくなります。

豆乳

無調整豆乳100mlで約3.6gのタンパク質を含みます。牛乳アレルギーの子どもの代替品として優秀ですが、カルシウムやビタミンDの含有量は商品により異なるため、成分表示を確認してください。ホットケーキやパンケーキの生地に混ぜる、野菜スープのベースに使うなど、料理に取り入れやすい食材です。

枝豆

茹でて薄皮を除いた枝豆20粒程度で約1.5gのタンパク質を含みます。指でつぶせる程度に柔らかく茹で、手づかみ食べの練習にも適しています。

穀物や野菜との組み合わせで栄養価アップ

植物性タンパク質は、穀物や野菜と組み合わせることで、栄養価がさらに高まります。ご飯と納豆、パンと豆乳スープ、そうめんと豆腐など、主食と組み合わせることで効率的に栄養を補給できます。

また、野菜と一緒に摂取することで消化を助け、栄養の吸収率を高める効果も期待できます。植物性タンパク質は動物性タンパク質に比べてアミノ酸バランスが劣る場合がありますが、穀物と一緒に摂取することで、互いに不足しているアミノ酸を補い合い、より良質なタンパク質として体内で利用されます。

1日の食事例と献立例

1日のタンパク質15gを朝食、昼食、夕食、おやつに分散して摂取することで、消化への負担を軽減しながら効率的に栄養を取り入れることができます。1歳児の1日の食事で、どのようにタンパク質を取り入れれば良いのか、具体的な献立例を見ていきましょう。

朝食例(タンパク質約5g)

納豆は熱湯をかけて粘りを軽減し、卵焼きには人参やほうれん草などの野菜を細かく刻んで加えます。味噌汁は薄味に仕上げ、豆腐は食べやすい大きさに切りましょう。

  • 軟飯 80g
  • 納豆(ひきわり)1/3パック(約2.5g)
  • 野菜入り卵焼き(卵1/3個使用・約2g)
  • わかめと豆腐の味噌汁(豆腐20g・約1.5g)
  • バナナ 1/3本

昼食例(タンパク質約6g)

鶏そぼろは、脂身を除いた鶏むね肉のひき肉を使い、野菜と一緒に煮込むことでうま味を引き出します。うどんは柔らかく茹で、食べやすい長さに切りましょう。

  • 鶏そぼろうどん(鶏ひき肉10g・約2.2g、うどん80g)
  • 蒸し野菜(ブロッコリー、人参、じゃがいも)
  • プレーンヨーグルト60g(約2.5g)
  • りんご 1/4個

夕食例(タンパク質約5g)

鮭は骨を丁寧に除去し、野菜と一緒にだし汁で煮込みます。高野豆腐は薄味のだし汁でじっくり煮含め、柔らかく仕上げましょう。

  • 軟飯 80g
  • 鮭と野菜の煮物(鮭10g・約2.2g、大根、人参、いんげん)
  • 高野豆腐の含め煮(戻した高野豆腐15g・約2g)
  • みかん 1/2個

おやつ例(タンパク質約1g)

おやつは、空腹を満たすだけでなく、タンパク質を補給する良い機会です。きなこは、カルシウムや鉄分も同時に摂取できるためおすすめです。

  • きなこおにぎり(軟飯50g、きなこ小さじ1)
  • または、チーズ1/2個 + 野菜スティック

1週間のローテーション例

毎日同じようなメニューでは飽きてしまうため、1週間の献立をローテーションで組むと、バラエティ豊かで栄養バランスの良い食事を提供できます。お子さんの好みやアレルギー、季節の食材などを考慮して、自由にアレンジしてみてください。

曜日 主菜 副菜
鶏そぼろご飯 豆腐の味噌汁、りんご
白身魚の煮付け 野菜スープ、ヨーグルト
卵入りおじや 小松菜の煮浸し、みかん
鮭と野菜の炊き込みご飯 枝豆、牛乳
牛肉つみれスープ パン、バナナ
納豆ご飯 チーズ、トマトの煮物
鶏むね肉の煮物 豆乳スープ、いちご

外食・市販品を利用する場合

外出時や調理時間がない時など、ベビーフードを活用するのも一つの方法です。栄養成分表示をよく確認し、タンパク質量が少ない場合は、茹で卵の黄身をつぶして混ぜたり、絹ごし豆腐を小さく切って加えたり、プレーンヨーグルトを添えたり、きなこを少量振りかけたりするなどしてタンパク質を補いましょう。

  • 茹で卵の黄身をつぶして混ぜる
  • 絹ごし豆腐を小さく切って加える
  • プレーンヨーグルトを添える
  • きなこを少量振りかける

タンパク質摂取の注意点

タンパク質は成長に必須ですが、摂りすぎ・不足のどちらも不調につながります。日々の様子から過不足を見極め、1週間平均でおよそ15g/日を目安に微調整しましょう。

摂りすぎている場合のサイン

このようなサインが見られたら、タンパク質の摂りすぎかもしれません。お子さんの排泄の状態や睡眠の様子をよく観察し、摂りすぎのサインを見逃さないようにしましょう。

  • おしっこの変化:色が濃い、においが強い。
  • おなかの調子:下痢や便秘を繰り返す。
  • 体重の増加:急に体重が増える。
  • 睡眠:消化に時間がかかり、夜泣きが増えたり、眠りが浅くなったりする。

不足している場合のサイン

タンパク質が不足すると、体のさまざまな機能に影響が出ることがあります。これらのサインが見られる場合は、食事全体を見直しましょう。

主菜だけでなく、副菜やおやつに乳製品や豆製品を取り入れるなど、無理のない範囲でタンパク質を補う工夫をしてみるのがおすすめです。

  • 成長:成長曲線がゆるやかになる、体重が増えない。
  • 体の変化:傷の治りが遅い、髪や爪が弱々しい。
  • 体調:疲れやすく、風邪をひきやすい。

調理・保存の注意点

肉や魚は必ず中心まで加熱し、卵は半熟を避けることが基本です。ハムやソーセージは塩分や添加物が多いため、常用せず時々の利用にとどめましょう。牛乳やヨーグルトは冷蔵保存を徹底し、常温放置を避けることが大切です。

忙しい家庭では、肉や魚をまとめて下処理して冷凍し、使う分だけ小分け解凍する方法が便利です。豆腐は冷凍に向きませんが、高野豆腐を常備すると簡単に使えます。

食習慣としての注意

特定の食品に偏ることなく、肉、魚、卵、乳製品、大豆製品など、様々な食材からバランス良くタンパク質を摂取することが大切です。外食や市販品を利用する際は、タンパク質量だけでなく、塩分や脂質の量にも気を配りましょう。

家族と一緒に食事をする際は、大人と同じメニューを取り分け、味付けを薄めたり、食べやすい大きさに切ったりするなど、お子さんに合わせた工夫をしましょう。

よくある疑問Q&A

最後に、保護者がよく抱く疑問に答えていきます。

Q:牛乳はどのくらい飲ませていいですか?

A:1日200ml前後が目安です。飲みすぎは鉄不足の原因になります。朝食やおやつで分けて与えると安心できます。牛乳だけで水分補給を済ませず、水や麦茶も取り入れることが大切です。

Q:卵は毎日食べてもよいですか?

A:アレルギーがなければ問題ありません。1日1個以内を守れば安心です。卵は手軽に調理できますが、油を多く使う調理法は避け、蒸す・焼くなど消化にやさしい方法を選ぶことが望ましいです。

Q:肉や魚を嫌がるときはどうすればよいですか?

A:ハンバーグやつみれ、スープに混ぜるなど形を変えると食べやすくなります。無理に与えるより、豆腐や納豆で補いながら少しずつ慣らしていくと安心です。

Q:おやつでタンパク質を補えますか?

A:ヨーグルト、チーズ、きなこはおやつに適しています。ホットケーキに卵や豆乳を混ぜる、蒸しパンにきなこを加えるなど、工夫次第で主食兼おやつとして活用できます。

Q:プロテインは必要ですか?

A:1歳児には不要です。通常の食事で十分補えます。摂りすぎは腎臓に負担をかける恐れがあるため避けるべきです。

Q:魚嫌いで全く食べない場合はどうすればよいですか?

A:肉や卵、大豆製品で代替できます。魚はすり身やおやきに混ぜると、においや食感がやわらぎ食べやすくなります。DHA・EPAを摂るには卵黄や一部の植物油から補うことも可能です。

Q:豆乳は牛乳の代わりになりますか?

A:代替可能ですが、カルシウムやビタミンDは商品によって含有量が異なります。成分表示を確認しながら利用してください。牛乳を嫌がる子でも豆乳なら受け入れやすいことがあります。

Q:夜食を欲しがる場合はどう対応すべきですか?

A:無理にタンパク質を与える必要はありません。おかゆや果物など消化にやさしい食品で十分です。授乳や水分で落ち着くことも多く、夜泣き対策にもつながります。

(まとめ)1歳児に必要なタンパク質の量とは?

1歳児が1日に必要とするタンパク質の量は15g、推奨量は20gとされています

肉、魚、卵、乳製品、大豆製品など、様々な食材をバランス良く組み合わせることで、過不足なくタンパク質を摂取し、健やかな成長をサポートしましょう。摂りすぎや不足のサインを早期に察知し、適切な対応をとることも大切です。

家族の食事から取り分けたり、おやつにタンパク質を取り入れたりするなど、工夫次第で無理なく続けられます。毎日の食卓に、多様なタンパク質源を取り入れ、お子さんの健やかな成長を育んでいきましょう。