ミネラルウォーターができるまでにはいくつかルートがある
私たちが普段ミネラルウォーターとして認識しているものにはたくさんの銘柄や種類があります。
これらは採水地や成分の違いなどで種類分けされていますが、そのミネラルウォーターに分類されるものでも必ずしも同じ製法や処理がなされたものばかりではありません。
実はミネラルウォーターに分類されるものには規定があり、製品ができるまでのルートにはいくつかの種類があるのです。
製品になるまでの過程によってはミネラルウォーターにならないものもあり、その条件とは1つではないものの、限られたものとなっています。
製品ができるまでの過程で分類が変わる
日本で製造されるお水の中でミネラルウォーターとして分類されるためには、製品ができるまでの過程において条件が定められています。
その条件を満たさない、または決められた処理方法以外のことを行ったものは、ミネラルウォーターにはならないのです。
ミネラルウォーターができるまでの過程として条件を満たしたものだけがその分類で販売できるということになります。
ミネラルウォーターができるまで
お水の種類とは、その採水方法や処理方法などによってたくさんあります。
その中でミネラルウォーターとして製造されるには、定められた条件をクリアしている必要があるのです。
では、その条件や実際に製品ができるまでの工程とはどのようなものなのでしょうか。
ガイドラインによって処理方法に条件が決められている
日本で製造されるボトル入りのお水は、大きく分けて4つの種類があります。
その中でミネラルウォーターとして販売されるのは2種類であり、その条件として大きなものは、特定の採水地からくみ上げられた地下水の中でもミネラル分を含むもの(鉱水)であることです。
この鉱水の処理方法として、ろ過や沈澱を行って浮遊物を取り除く過程と加熱殺菌の過程のみを行ったものがナチュラルミネラルウォーターです。
それに加えてオゾンや紫外線で殺菌処理を行ったり、お水のブレンドやミネラル分の追加などの調整を行ったりしたものをミネラルウォーターと呼んでいます。
こうした条件を満たしたものだけがミネラルウォーターとして販売されることとなり、これ以外のものはミネラルウォーターには分類されません。
ミネラルウォーターができるまでの例
上記のような条件を満たしたミネラルウォーターができるまでには、加熱処理以外の殺菌処理がなされているか否か、そして成分調整などの手が加えられているか否かで分類分けが変わってきます。
その製造過程の一例を下記に挙げていきます。
採水
ミネラルウォーターが採取でき、さらに衛生状態が万全に保たれている採水場から原水を採水します。
地下水が採取できる場所の地形はさまざまで、川の源流や温泉地などいろいろあります。
その採水地、または地形の違いによってミネラルをはじめとした成分が異なるため、それぞれに風味や口当たりが違ったものになるわけです。
水質分析
製品として処理する前に、原水に含まれる成分や微生物などを細かく分析します。
日本では飲用できる水にも厳しい成分規格が設けられており、その基準に満たないものは飲用もしくは食品の製造に使うことはできません。
そして、原料となる原水に関しての基準も設定されており、それをクリアしたものだけが次の製造過程に進むことができるのです。
ろ過・沈澱
原水に含まれる浮遊物を沈澱させたり、細かな目のフィルターに通してろ過させたりして取り除きます。
ろ過の過程では何段階かに分けて行われることが多く、さらに純度の高いお水にするためにRO膜と呼ばれる特殊な膜を用いることもあります。
加熱殺菌
日本ではミネラルウォーターの基準として、成分規格における厳しい微生物量の条件をクリアしていれば殺菌処理は必要ありません。
ただし、原水の状態でその基準をクリアするのはやはり難しいものですから、多くのものは殺菌処理が施されています。
加熱殺菌する場合は、適切な温度・時間として85度で30分という規定が設けられています。
この時点でボトル詰めされればナチュラルミネラルウォーターとなります。
オゾン殺菌・紫外線殺菌
これ以降の何らかの処理を行うものは、ナチュラルという名称が取られ、ミネラルウォーターとなります。
加熱殺菌以外の殺菌方法を採る場合は、その方法に匹敵する効果があるものでなければならないとされています。
つまり、オゾン殺菌や紫外線殺菌においても加熱殺菌と同等の効果がなければならないわけです。
また、オゾン量や紫外線量、処理時間などについて安全な域を守るよう規定されています。
その他の処理
ミネラルウォーターができるまでの処理で殺菌以外に行われるのは、別のミネラルウォーターとブレンドしたり新たにミネラル分を追加したりして調整を行うことや、お水に空気を送り込んで浄化することなどです。
こうした過程を経て、風味や口当たりがよいお水として加工されるのです。
上記以外のものはミネラルウォーターにはならない
上記のようなミネラルウォーターの採水方法または製造方法以外の方法が採られたものは、ミネラルウォーターには分類されません。
地下から採れたお水でもミネラル分を含まないもの、またそもそも地下水ではないものはミネラルウォーターとはなりません。
さらに、処理方法として殺菌剤や防腐剤などの添加物を加えた場合もミネラルウォーターからは外されるのです。
ミネラルウォーターは化学物質での処理を行わないもの
ミネラルウォーターができるまでの過程として、まずは特定水源から採れた鉱水であることが大前提となります。
さらに、製造過程や処理方法としては化学物質を用いる処理を行っていないものであると言うことができます。
製品ができるまでに成分調整などの手が加えられることはありますが、体にも心配な添加物は全く加えられていないのがミネラルウォーターであり、私たちが安心して飲むことができるのはそのためなのです。
安全でおいしいミネラルウォーターは、数々の規格やルールをクリアしたものだけということです。
日本のミネラルウォーターは基本的に安全
日本においてミネラルウォーターができるまでを見ていくと、かなり高い安全性が保たれていることがわかります。
海外のミネラルウォーターは基本的に殺菌を行わないことが基準となっていることを考えると、日本のものは非常に安全であると言うことができるのです。
日本のお水は、安心しておいしく飲むことができます。