お水に含まれる成分で目の角膜を傷つける可能性が

お水で目を洗う際の注意
人の体には不純物を取り込まない作用があるため、お水であっても目にとっては異物となります。

水道水を使用し目を洗えば塩素により角膜が傷つくおそれがありますし、ミネラルウォーターの場合も微妙に残るバクテリアにより細菌やウイルスに感染しやすい状況が作り出されてしまいます。

目の健康目的で洗浄をするなら、不純物が含まれていないものを使用し目を洗わなければなりません。

目を洗うお水の成分を考えないと問題が起こりやすい

水道水には塩素が含まれ目に刺激となりますし、ミネラルウォーターの場合お水の種類によっては微細なバクテリアが残っていることがあるため、目に負担をかけます。

これらの成分により目に細菌が繁殖したり、刺激のある成分でアレルギーを引き起こしたりする可能性があります。

そもそも目を洗う行為は負担がある

ミネラルウォーターで目を洗って良いのか考える前に、まずは目を洗うという行為を根本的に見直してみましょう。

昔はプールの後には目を洗うのが一般的でしたが、近年は目の表面にある角膜や結膜の研究が進み、洗浄するのは良くないという説に変わってきているのです。

目を洗ってはいけない理由とは?

治療に必要な時以外は無闇に目を洗わないほうが良いでしょう。

ではなぜ目を洗ってはいけないか具体的な例をあげて紹介していきます。

目を保護する成分が洗い流される

目の表面には油分で涙や水分の蒸発を防ぐ油層、アミノ酸などを含み栄養を与える水層、粘液状のムチン層と3つの構造により角膜を守っています。

目を洗う行為はこれらを洗い流す恐れがあり、洗浄しすぎれば免疫機能の低下を招きます。

細菌や、アレルギーの元となる物質が付着する

目を洗う成分を考えないと、細菌や刺激成分が目に付着する恐れがあります。
これにより目の感染症を引き起こしたり、アレルギー症状が出たりすることも。

まつ毛に付いた汚れを目の中に入れてしまう

まつげは目を保護する働きがありますが、目の洗浄で汚れが洗い流され逆に目に入る可能性があります。

やむをえない事情で目を洗う場合には?

目を洗浄する場合、水道水・ミネラルウォーター・精製水・専用の洗浄液などの使用が考えられます。
具体的にどのような影響があるのか考えてみましょう。

水道水

慶応大教授の研究グループでは水道水で目を洗うと、塩素により目の角膜が傷つくことを発表しています。

塩素を含む水道水で洗うと、角膜上皮細胞が破壊される割合が高いのがわかりました。

プールの後に目を洗う行為は、逆に感染症を広げる原因となるのです。

ミネラルウォーター

水道水と比べると塩素の影響はありませんが、ミネラルや微細なバクテリアが残っている可能性があるため、目の洗浄液として適しているものではありません。

精製水

水道水のように塩素や不純物が含まれていませんが、その代わり開封後直ぐに使用しないと細菌が繁殖しやすくなります。
眼科の場合は生理食塩水で洗浄を行っており、これに近いのが精製水です。

専用の洗浄液

様々なお水と比べて刺激は少ないものの、コストの高さ・まつげからの細菌進入が考えられるため、効果はそれ程高くありません。
また、成分により目の保護成分が洗い流され、逆に細菌感染しやすくなります。

目の洗浄自体は必要がなければ行わないのが一番ですが、目にごみが入ったなどやもえない事情があるなら精製水のような不純物が少ないものがベストです。

頻度が多くなければ、1回で使い切ることで目に細菌が移るのを防ぐことができます。

目を洗うのは1日10回まで

目の汚れが気になる際には不純物が少ないお水で洗うことができますが、それでも最低1日10回を限度にしましょう。

洗いすぎれば目の表面の潤い成分を壊し、ドライアイの原因となります。

必要が無ければやらないのが一番で、涙でごみを洗い流す方法が良いでしょう。

コンタクトレンズを外した汚れのようなものはゴミじゃない

コンタクトを外した際に付いている物は汚れではない
目を洗いたくなるのはコンタクトレンズを外した後に、レンズに汚れのようなものが付いているからでしょう。

実はこの物質は汚れではないのです。

目を保護する成分の一部が剥がれたもので、ムチンや上皮細胞などです。
コンタクトレンズをすること自体、目の健康な細胞を剥がしているのです。

目に異物が入りやもえない事情がある場合は洗浄が有効となりますが、コンタクトレズを使用している人が眼病予防のために利用することや、目の潤いを保つために使用するのは避けるべきだといえます。

目の洗浄は必要な時だけ、不純物が少ないもので

目の洗浄は基本的にやらなくて大丈夫です。
万が一目に異物が入りすぐに洗い流す必要があるなら、不純物が含まれていないお水使用しましょう。

一番は涙に近い使いきりタイプの生理食塩水ですが、なければ当サイトで紹介している純水(ピュアウォーター)も緊急時には有用です。