寝ている赤ちゃんが嘔吐したときの水分補給は慎重に行いましょう


寝ている赤ちゃんが嘔吐しているときには、吐物と一緒に水分が体外に出ていってしまい、そのうえ水分補給ができないので脱水状態になりやすいです。

しかし、ウイルス感染や胃腸炎などが原因で嘔吐している場合は、嘔吐後すぐに水分補給を指せるのではなく、30分~60分置いてから、少量の飲料を与えるのが望ましいです。

飲料は真水やジュースではなく、経口補液水を与えましょう。

経口補液水の作り方は以下の部分でご説明します。

嘔吐しているときには赤ちゃんは大量の水分補給ができない

嘔吐しているときには、胃腸の働きが低下しているので水分補給といってもほんの少しずつしか飲むことができません。

いちどにたくさん飲んでしまうと胃が受け付けられず、また嘔吐してしまいます。

しかも、嘔吐のときに胃液などの一緒に流れ、飲んだ分よりも多めの水分が失われてしまうことが多いため、注意が必要です。

嘔吐しているときの水分補給はどうしたらいいのか?

赤ちゃんは胃の入り口をしっかりと閉じておく力が弱いため、大人よりも嘔吐しやすいです。

母乳を飲んだ後に口から流れ出るように嘔吐するのは、溢乳といって正常なことです。

嘔吐の前後にいつもと変わらず機嫌がいいなら心配はいらないでしょう。

注意したいのは、赤ちゃんがぐったりしている時や、吐物の色が緑がかっているようなときです。

母乳しか与えていないのに吐物に色がついているなら、胆汁が出ているのかもしれず、腸閉そくが疑われます。

すぐに病院につれていきましょう。

以下では、ノロウイルスやその他吐き気を伴う風邪などが原因で赤ちゃんが嘔吐を繰り返している場合、どのようにして水分補給させたらいいのかお話します。

嘔吐直後は30分~60分休ませる

嘔吐直後は脱水が心配なのでお水を飲ませたくなりますが、嘔吐直後の30分~60分は何も飲ませないのがベストです。

嘔吐直後はまだ胃腸の働きが弱っているので、飲ませてもすぐに嘔吐してしまいます。

嘔吐を繰り返すと余計に脱水になりやすいので、それを避けるためにもしばらくは何も飲ませないで休ませましょう。

状態がひどいなら、病院で吐き気止めの坐剤を処方してもらいましょう。

吐き気止めの坐剤は胃腸の働きを良くして水分補給を助けます。

坐剤は30分くらいたつと効果が現われるので、それから様子を見て水分補給を試みてみましょう。

経口補液水をつくって少しずつ飲ませる

嘔吐中の水分補給は、真水やジュースなどではなく、傾向補液水がおすすめです。

経口補液水は、人間の体内の水分よりも濃度が薄く、低浸透圧であることが特徴です。

経口補液水の作り方は以下のとおりです。

経口補液水のつくりかた

経口補液水の基本は、水1リットルに対して塩3g、砂糖40gです。

水500mlで作る場合は、塩1.5g、砂糖20gになりますね。

塩1.5gは、小さじ4分の1に相当します。

砂糖20gは大さじ2強に相当します。

作ってみると分かるとおり、かなり薄い体液のような液体ができあがります。

決しておいしいとは言えませんが、低刺激で吸収率が高いので、下痢や嘔吐をしているときの水分補給に適しています。

ピュアウォーターで作るとよい

経口補液水を作るときに使うお水は、水道水やミネラルウォーターではなくピュアウォーターがおすすめです。

ミネラルが含まれたお水は胃腸に負担になるだけでなく、さらに嘔吐や下痢を引き起こす原因にもなります。

嘔吐を繰り返しているときはともかく胃腸にやさしい水分が適しています。

そんなときには、ミネラルなどの混ぜ物がないピュアウォーターが最適なのです。

1分間に1さじの速度で水分補給する

嘔吐を繰り返しているときは胃の働きが大変弱っているので、胃のサイズがおちょこ1杯分になっていると考えてください。

それより多い量の水分を異に入れてしまうと、あふれるようにして嘔吐してしまいます。

水分補給は経口補液水をティースプーンで1さじずつ与えましょう。

1分待って、また1さじ与えます。

こうするとだいたい40分くらいで100mlの傾向補液水を補給することができます。

100ml飲めたらいったん休みましょう。

それでも水分補給ができない場合は病因へ

病院で処方された吐き気止めの坐剤を使用しても、経口補液水で水分補給しようとしても、嘔吐を繰り返してしまうなら、ムリせずに病院に行きましょう。

病院では点滴で水分補給をすることができます。

また、それほど嘔吐が激しいなら、もしかしたら別の原因の可能性もあります。

まれに腸重積症や盲腸炎、睾丸捻転、部尿路感染症、細菌性髄膜炎などが原因で嘔吐を繰り返すこともあります。

脱水状態には注意を!


赤ちゃんは体が小さいので、一度に奪われる水分量は大人よりも比率が高くなります。

もしも赤ちゃんに以下のような症状が現われたら、脱水症状が疑われます。

脱水症状の初期状態

尿の量が減る、呼吸が荒め、元気がない、皮膚がかさついている、唇や口の中が乾いている。

脱水症状が進行すると

尿が出ない、ぐったりしている、眼球が陥没している、大泉門がへこんでいる、意識がもうろうとしている。

以上のような症状が出ているなら、早めに病院に行って処置を受けた方がいいでしょう。

嘔吐しているなら体にやさしいお水が最適です

嘔吐しているときにはたくさんの水分を飲むことができません。

そこで、時間をかけながら少しずつ経口補液水を飲ませるのですが、そこで使うといいのが混ぜ物のないピュアウォーターです。

ピュアウォーターは体にやさしいので、赤ちゃんの普段の水分補給方法としても使いましょう。