猫が水を大量に飲み始めたら病気の疑いがあります

猫の病気
ペットの猫が大量に水を飲むようになったら気をつけるべき病気には、深刻な症状のものもあります。猫はそもそも大量に水分を欲しがるものではありませんし、何らかの異変として飼い主は察してやらなければいけません。

普段の飲み水の減りや排出する尿の変化にも注意をして病気を発見してあげましょう。早く発見することで、治療も軽くなる可能性があります。

また高齢の猫には慢性疾患のリスクも高くなるため、特に注意をしてやることが大切です。

猫が水を飲みすぎている時は、本来の特性から外れた事態です

猫は砂漠地帯に住むヤマ猫を祖先に持っており、現在の飼い猫になってからも水分をたくさん取るような体の作りにはなっていません。

そんな少ない水で生きられる猫が大量に水分を欲しがるのは、大きな異変と考えて良いでしょう。

猫の水分摂取量は他の動物よりも少なく、飲み水の量はきちんと確かめておけば分かる変化です。猫を飼っている場合には、その特性をよく認識しておき、飲み水には常に関心を持って管理しておきましょう。

猫が水を飲みすぎている時は、本来の特性から外れた事態です。本来必要のないはずの大量の水を飲んでいるということは体にありえないことが起こっているというサインです。

猫の飲水量を把握しましょう

猫の特性として、食餌や水飲みを人が見ていない時に行うことも多く、飼い主さんであってもいつ水を飲んでいるかを把握できないことがあるでしょう。

そのため、発見しにくい場合もありますが、水換えの時の減っている量を確認したり、排尿の回数や量を目安にしたりして変化に目を光らせましょう。

急激に水を飲む量が増えたら、尿の色などについても詳細に調べてみましょう。急激に起こった変化は見逃してはいけません。

猫は本来自由気ままな動物であり、犬のように飼い主が全てを管理するのは難しいものです。人前では水飲みや食餌をしない子やおしっこをしている姿を見られたくない子もいます。

しかしペットの猫が大量に水を飲むようになったら気をつけるべき病気には、非常に深刻なものも含まれており、ここはなんとしてでも把握しておく必要があります。目安としては、倍の量に増えた時には要注意です。

水皿は頻繁に変える

水の量を把握するためには、水を定期的に測っておくことが大切です。長く放置しておくと季節によっては蒸発する分もありますから、できるだけ短時間で、しかも同じ時間帯に水をチェックして入れ替えることがコツです。

また、水の量はたっぷりと与えておき、急に飲む量が増えた時も不足しないようにしましょう。

水の種類を変えない

猫に与える水はどのようなものを選んでいるでしょうか?購入した水を与えている場合には、種類を変えないことが飲む量を正確に知るために望ましいでしょう。

水道水でもよいですが、ウォーターサーバーなどから与えていれば、水の質も温度も一定に保てますから、猫の好き嫌いに左右されることなく測れます。

体重に応じて必要な飲水量を把握しましょう

猫が1日に必要な飲水量は体重1㎏あたり、50mlだとされています。一般的な猫の体重は大体5㎏程度なので、1日約200ml位は水の摂取が必要です。

ただし、エサに水を含んだウェットフードを与えている場合は、既にフードから水分を摂取しています。そのため1日の水分必要量は目安よりもやや少なめにしましょう。

猫の飲み水が増える病気は腎不全や糖尿病です

猫の飲み水が増える病気にはいくつかの特徴的なものがあります。

特に高齢の猫には病気のリスクが高くなりますので、十分に気をつけてやる必要があります。人間も猫も加齢によって体が衰えて病気をしやすくなるのです。

腎臓の病気

猫の体質的な特徴として水を飲まないことが挙げられますが、その影響によって病気のリスクが高くなるのが腎臓です。

腎臓は体内の余分な水分を濾過して尿を作りますが、猫の水分量は少なく、さらに水分量が減った場合には尿の濃度を変化させて調節するようになっています。

そのため、他の動物たちよりも腎臓に負担がかかりやすく、結石なども出来やすくなっています。慢性の腎不全や腎炎などの病気は進行すると恐ろしいものです。

慢性腎不全は腎臓の機能が長い年月をかけて徐々に低下していくことで起こります。特に高齢の猫の場合は注意して見てあげましょう。

糖尿病

猫も生活習慣病になります。糖尿病は血中の糖が増える病気で、それを排出しようとして尿が増え、それとともに飲み水の量も増えます。

やはり人間と同じで加齢とともにリスクが高くなります。食餌の与えすぎで代謝できないことによって引き起こされることがあります。

猫のメスにある病気のリスク

特にメスの猫に多い病気もあります。メスの猫で水を大量に飲むようになるとともに、お腹のあたりが膨らんできたら、この病気を疑います。

子宮蓄膿症は、犬や猫のメスに起こることがあり、子宮が細菌感染によって膿を持ちます。尿と飲み水の量が増えて、重症化すると腎不全など他の臓器にも影響を与える怖い病気です。

ただしこれは、子宮と卵巣を摘出して避妊をしているメスにはかからない病気ですので、リスクを減らすためには飼い猫の避妊も必要かも知れません。

猫の水を飲む量に異変を感じたら早めに動物病院を受診しましょう

猫の健康管理
猫が水を大量に飲む場合、病気の可能性があります。普段と様子が違う場合、どのように対処したらいいのでしょうか。

むやみに飲水量を減らさず、動物病院を受診しましょう

猫の水飲みすぎをやめさせるために、水を与える量を減らす人もいますが、それはやめてください。排尿した分、体内では水分が不足しているので水を摂取して補給しなければならないからです。

水分排出量とのバランスを考慮せず、水の量をただ減らしてしまうのは脱水症状を招くリスクがあります。水分が不足すれば、膀胱炎や膀胱結石などの病気になることもあるのです。

猫の水飲みすぎに気づいたら、できる限り早めに動物病院を受診しましょう。病院で早期治療を行えば病状改善にもつながります。また、猫の異変に早く気づけるように普段からペットの食欲や体重、トイレの回数や排尿量、水摂取量を知っておくことも必要です。

(まとめ)猫が水を飲みすぎるのは病気の可能性がある?

猫が水を大量に飲み始めたら病気の疑いがあります

猫は体の作りから本来少ない水で生きられる生き物です。そのため水を大量に欲しがる、水の飲みすぎというのは、体に異変が起きている可能性があります。

猫の水摂取量を把握するには、水皿を頻繁に変えて水の量を計測しておくこと、水の種類を同じものにすることなどが大事です。また、猫は体重1㎏あたり1日約50mlの水分が必要となるので覚えておくとよいです。

猫の水摂取量が増えると、腎不全や糖尿病などの病気が原因と考えられます。急激に水摂取量が増えたらむやみに水を与える量を減らさずに、早めに獣医師に診せて適切な治療を受けるようにしましょう。