筋トレをすると便秘を改善しやすいです


食べ物を食べると胃で消化されて、小腸で栄養が吸収され、最後に便となって肛門から出て行きます。
肛門付近にある大腸は、S字のようにカーブしており、このために便が出にくくなっています。

便を排出するのは、大腸の動きである蠕動運動と、お腹周辺にある筋肉で、便を押し出しているのです。
このお腹周辺の筋肉は腹横筋と呼ばれており、コルセットのように内臓を包み込んでいます。

筋肉が動いて腸を押すことにより便を押すので、筋トレで腹横筋などを鍛えるのは、便秘改善に効果的です。

筋トレの前にストレッチすることで腸の動きが良くなり、便秘改善に期待できます

筋トレを行うことは、お腹周辺の筋肉を鍛えて、腸を押す力を増やし、便を出しやすくします。

ただ急に腹筋運動などの筋トレをしても、交感神経が優位な時は、腸の動きが悪いので便が出にくいままです。

まずは準備運動としてストレッチを行い、腸の動きを良くしましょう。
腸の動きが良くなった後で、腹筋を鍛え、お腹周辺の筋肉の働きを強めます。

準備運動と筋トレにより腸の動きの改善を図りましょう

筋トレはお腹周辺の筋肉を鍛えて、腸を押して便を出しやすくします。

ただ腸の動きが悪いと、腸を押してもスムーズに便が移動しないので、まずは準備運動で腸の動きを良くします。
腸の動きが良くなり、便が肛門付近にスムーズに移動したら、筋肉を鍛えて、押し出しやすくするのです。

腹式呼吸で横隔膜を動かし腸を刺激します

まずは、筋トレを行う前に、腸の動きを整え、スムーズに動くようにします。

大腸の肛門付近に便が移動していないのに、いくらお腹周辺の筋肉で押して出そうとしても、便が出ていきません。

腸の動きを良くするには腹式呼吸が適しており、この呼吸法によって、横隔膜が大きく上下に動くので、その動きに合わせて大腸も動いていきます。

行い方としては、仰向けに寝転がり準備します。

次に、両膝を立てて、片手は胸の上に、もう一方の手はお腹の上に置きましょう。
鼻から息を吸いこみながらお腹が膨らむのが腹式呼吸であり、息を吸い込んだときに、胸が膨らまないように注意して、呼吸していきましょう。

このお腹が呼吸時に膨らむというのがポイントです。
この腹式呼吸を5回から10回行うようにして、息を吐くときは吸ったときの2倍の時間掛けて、ゆっくり行います。

時間のあるときに、朝晩でも行うとよいでしょう。

腸を押しやすくするためにお腹周辺の筋肉を鍛えます

腹式呼吸によって体がリラックスしたら、次は、腸を刺激しましょう。

そのまま仰向けになった状態で、手と足を伸ばして大の字になり、伸ばした手と足を縮めて丸まるという動作を10回ほど繰り返します。

この伸ばして縮まるという運動により、腸も伸び縮みして、腸全体を刺激し、動きを良くします。

次に腹横筋を鍛える腹筋運動です。
これは腹筋運動の中でも、脚上げ腹筋運動という筋トレを行います。

仰向けの状態のまま、両足を上に持ち上げ床から離し、持ち上げた状態を5秒間維持します。

5秒経ったら、脚を床に置いて元の状態に戻しましょう。

この脚上げ腹筋運動は、通常の腹筋運動と違い、腹横筋をピンポイントに鍛えられるという特徴があります。
また仰向けになって行うので、行いやすく、女性でも行いやすい筋トレです。

仰向けの他に、椅子に座って脚を上げるだけでも、同じく腹横筋を鍛えられます。

筋トレで肛門付近の筋肉を鍛えます

お腹周辺の筋肉を鍛えた後は、今度は肛門付近の筋肉を鍛えましょう。
これによって、肛門付近に移動した便が、いきむことで排便しやすくなり、便が出やすくなります。

まずは斜め腹筋運動です。

仰向けになり足と手を広げて、大の字になります。
その状態から、片足を曲げてお腹につけて、腕も曲げて肘を膝に付けます。

この状態を5秒間維持し元の大の字に戻し、それぞれ右足と左足曲げて行い、5回から10回行いましょう。

最後に、いきむときのお尻と腰の筋肉を鍛える運動です。

四つんばい運動を行い、これは四つんばいになり、右手と左足を床から浮かせて5秒間維持し、次に逆の左手と右足を浮かせて5秒間維持します。

この運動を右足と左足で、それぞれ5回から10回行いましょう。

これで、腸の動きをスムーズにするストレッチと、お腹周辺の筋肉を鍛える筋トレの、一連の運動は終了です。

お腹のマッサージでも腸の動きは良くなるといわれています


筋トレを行いお腹周辺の筋肉を鍛えることは便秘に有効ですが、マッサージも同じく効果があります。

ただ力任せに行い強くマッサージすることは、腸壁を傷つけるおそれがあります。
お腹の中にある腸の場所にあわせて、M字に動かすようにして、マッサージしましょう。

腸を刺激し血行を良くするようなイメージで行うといいです。

また股間から脚の付け根周辺もマッサージすると、肛門付近を刺激し、便が詰まりにくくなります。

ここは便座に座ったときになどに行うとよいでしょう。

筋トレは便秘を改善する有効な方法です

ストレッチと筋トレによって、腸と筋肉の動きが良くなれば、便はほどよく水分を含んだ状態ならスムーズに腸内を移動し、排便のリズムがついていきます。

できるだけ時間のあるときに筋トレを行い、また時にはマッサージしていきましょう。