ワンウェイボトルかガロンボトルか、ボトルタイプによって捨て方が異なります

ウォーターサーバーは、水ボトルをサーバーに差し込んでお水を供給するタイプが一般的です。ボトルの中身を使い切ったあと、新しいボトルと交換する必要がありますが、「空になったボトルはどうやって捨てればいいのか分からない」という方も少なくありません。

実は、空になったボトルの捨て方・扱い方は、ボトルの種類によって大きく異なります。ウォーターサーバーの水ボトルは、使い捨ての「ワンウェイボトル」と、業者が回収して再利用する「ガロンボトル」が主流です。使い捨てボトルは基本的に自分で処分できますが、再利用ボトルは回収まで保管しておく必要があります。

この記事では、空ボトルの捨て方・回収方法に加え、保管方法や収納の工夫、ウォーターサーバー本体の処分方法まで整理して解説します。ご自宅やオフィスでウォーターサーバーを使っている方は、ぜひ参考にしてみてください。

ボトルは「ガロンボトル」と「ワンウェイボトル」の2種類

ウォーターサーバーの水ボトルのタイプは、ワンウェイボトルとガロンボトルに分けられます。それぞれの容器の特徴を知っておきましょう。

ワンウェイボトルとは

ワンウェイボトルとは、使用後に返却せず自分で処分する「使い捨てボトル」のことです。一般的な飲料用ペットボトルと同じく、PET樹脂が原料となっています。

送られてきたボトルは中身を使い切ったらそのまま廃棄できるため、ウォーターサーバー業者への容器返却は基本的に不要です。一部、回収に対応している業者もありますが、多くの家庭・オフィスでは自治体のルールに従って自分で処分しています。

ガロンボトルとは

ガロンボトルは、ウォーターサーバーでよく使われる再利用型のボトルです。硬質プラスチック素材でできており、衝撃に強く、繰り返し使用できるのが特徴です。

ボトルの中のお水を使い切ったら、基本的にウォーターサーバー業者に返却します。メーカーで洗浄・消毒されたうえで、新たな水が充填され、別の契約者のもとへ配送されます。このように繰り返し利用されるため、「リターナブルボトル」と呼ばれることもあります。

空きボトルは、業者が回収する日まで自宅やオフィスで保管しておきましょう。

⇒ウォーターサーバーの水ボトルに関する記事はこちら

ボトルの処分方法は「ボトルタイプ」によって異なる

空になったボトルの扱い方は、ボトルの種類によって異なります。それぞれの処分・回収方法を押さえておきましょう。

ガロンボトルの処分方法(基本は「捨てずに返却」)

ガロンボトルはワンウェイボトルと異なり、使用済みボトルを捨てずに返却する場合がほとんどです。中身を使い切ったボトルは、後日、ウォーターサーバー業者が回収してくれます。

回収された空きボトルは、メーカーで洗浄・消毒されたうえで新しい水が詰められ、再び水ボトルとして利用されます。多くの業者では回収は無料ですが、回収日や方法はメーカーによって異なるため、事前に確認しておきましょう。

  • 新しい水ボトルが配送されるタイミングで空きボトルを同時に回収
  • 定期配送時にまとめて回収

といった形が一般的です。

ワンウェイボトルの処分方法(自治体のルールに従って廃棄)

ワンウェイボトルは、PET樹脂を素材とした柔らかいボトルです。中身を使い切った後は手でへこませて潰すことができ、コンパクトにしてからゴミとして排出します。

多くの自治体では、飲料用ペットボトルと同様の区分(資源ごみ・ペットボトルごみなど)で回収されますが、ルールは自治体によって異なります。本記事では便宜上「不燃ゴミ」と表記していますが、実際の分別区分はお住まいの自治体の案内を確認してください。

不燃ゴミ・資源ゴミとして回収されたワンウェイボトルは、リサイクル施設で洗浄・粉砕され、ペレットとして再資源化されます。再びペットボトルの原料などに生まれ変わるため、資源の有効活用にもつながります。

ビニールパックの処分方法

ビニール製の袋にお水が入っているビニールパックタイプを採用しているウォーターサーバーもあります。容量は7L程度のものが多く、ボトルより軽く、交換しやすいのがメリットです。

中身を使い切ったビニールパックは、空気を抜いて折りたたんだうえで、自治体の分別ルールに従ってゴミとして処分します。こちらも「燃えるゴミ」「プラスチックごみ」など、分別区分は自治体によって異なります。

ボトルタイプ別の特徴と処分方法(一覧表)

ボトルタイプ 特徴・素材 処分・回収方法の目安
ワンウェイボトル PET樹脂製の使い捨てボトル 自治体のルールに従い、ペットボトル・不燃ごみなどで排出
ガロンボトル 硬質プラスチック製のリターナブル メーカー・業者が回収。捨てずに保管しておく
ビニールパック ビニール製バッグ、7L程度が主流 空になったら折りたたみ、自治体ルールに従って排出

ボトルを捨てる際は「自治体のゴミ処分ルール」に注意

空きボトルを自分で処分する場合は、いくつかの注意点があります。周囲に迷惑をかけないよう、ルールを守って処分しましょう。

自分で処分する場合は自治体のルールを必ず確認

ペットボトルタイプのワンウェイボトルは、業者による回収がないため、自分で処分する必要があります。ボトルの素材がPET樹脂の場合、お住まいの地域の区分に従い「資源ごみ」「ペットボトルごみ」「不燃ゴミ」などとして捨てることになります。

また、キャップや持ち手部分のビニールシールなどは、ボトル本体と分別区分が異なる場合があります。「プラスチック製容器包装」として別に捨てるよう決めている自治体もあるため、事前に分別ルールを確認しておきましょう。

ペットボトルと同様に扱える自治体であれば、ペットボトル回収ボックスを設置しているスーパー等に持ち込める場合もあります。ゴミ収集日まで自宅で保管しなくて済むので、保管スペースが狭い場合にも便利です。

ワンウェイボトルはコンパクトに潰す

ワンウェイボトルは柔らかい素材のため、空きボトルは手でへこませてできる限りコンパクトに潰し、折りたたんでからゴミ袋にまとめて入れましょう。

  • 保管スペースを圧縮できる
  • 収集作業がスムーズになる

といったメリットがあります。

ガロンボトルは「捨てずに保管」が基本

ガロンボトルは硬い透明プラスチックでできており、基本的には再利用される前提のボトルです。捨ててしまうと回収してもらえなくなるため、業者の回収日まで自宅やオフィスで保管しておきましょう。

ただし、ガロンボトルはコンパクトに潰せないため、一定の保管スペースが必要です。専用ラックや収納スペースを用意して、効率よく保管できるよう工夫することをおすすめします。

水道水を入れてボトルを再利用するのは「故障」や「衛生面」からNG

空になったボトルを見て「水道水を入れれば、また使えるのでは?」と考える方もいるかもしれません。しかし、これは衛生面・機器の故障リスクの両面からオススメできない方法です。

水道水を入れるのは衛生面・故障リスクの両面で問題

空きボトルに水道水を入れて再利用すると、ボトル内部で雑菌が繁殖するおそれがあります。十分に洗浄・殺菌できていない状態で繰り返し使うと、体調不良の原因となる可能性もあります。

また、水道水に含まれるカルキ(塩素成分)がボトル内部やサーバー内部に残り、白い塊となって付着することもあります。これが機器内部に蓄積すると、ウォーターサーバー本体の故障につながるおそれもあります。

こうした理由から、空きボトルに直接水道水を入れて再利用することは避けましょう。

水道水を利用できるウォーターサーバーという選択肢も

水道水を利用したウォーターサーバーを選ぶという方法もあります。代表的には次の2タイプがあります。

  • 水道直結型

ご家庭の水道の蛇口からホースでサーバー本体に水道水を供給するタイプです。ボトル交換が不要なため、大量に水を使う家庭やオフィスに向いています。

  • 浄水型(タンク補給型)

水道水をサーバーのタンクに直接注ぎ、サーバー内部のフィルターで塩素などを除去して利用するタイプです。ボトル交換は不要ですが、水の補給は手動で行う必要があります。

ボトルタイプのウォーターサーバーとは使い勝手が異なるため、ライフスタイルや設置環境に合わせて検討してみてください。

⇒ウォーターサーバーの耐用年数に関する記事はこちら

空ボトルの保管は「ラック」や「専用スペース」で積み重ねるのがオススメ

ボトル交換のたびに空きボトルが増えていくと、「どこに置いておけばよいのか分からない」という声も多く聞かれます。ここでは、空ボトルの上手な保管方法を紹介します。

収納スペースをあらかじめ確保する

再利用するガロンボトルは、硬質プラスチック製でサイズも大きく、ワンウェイボトルのように潰せません。中身が空になれば軽くはなりますが、かさばる点は変わらないため、事前に収納スペースを確保しておくことが重要です。

ホームセンターなどでボトル用のラックを購入しておくと、縦方向にまとめて収納でき、限られたスペースでも効率よく保管できます。ラックを選ぶ際は、ボトルのサイズを事前に測り、「何本まで積めるか」をイメージしておくと安心です。

ウォーターサーバー業者によっては、ボトルラックを無料で貸し出してくれる場合もあります。契約時やボトル注文時に確認してみましょう。

積み重ねて収納する場合のポイント

家族の人数が少ない場合や水の消費量が少ない場合、大きなラックを準備するほどボトルがたまらないケースもあります。その場合には、サーバーの近くや物置、クローゼットの一角、廊下の隅などに「空きボトル置き場」を決めておくとよいでしょう。

ボトルは横に寝かせて縦に積み重ねると、安定しやすく、スペースも節約できます。ただし、以下の点には注意が必要です。

  • 灯油・ペンキ・ベンジンなど、臭いの強いものの近くには置かない
  • 直射日光が当たらず、風通しの良い場所を選ぶ
  • 重い荷物を上に積みすぎない(変形・破損の原因)

破損したボトルは再利用できなくなるため、扱いには注意しましょう。

注文量を調整して保管本数を減らす

アパートやマンションの一人暮らしなど、そもそもボトルを保管するスペースが十分に確保できない場合は、「一度に注文する本数を減らす」という方法も有効です。

  • 1回あたりの注文本数を少なくする
  • 配送頻度を増やして、保管本数を抑える

といった工夫により、空きボトルが大量にたまるのを防げます。手間は多少増えますが、限られたスペースでウォーターサーバーを使い続けたい場合には有効な方法です。

ウォーターサーバー本体の処分方法は「レンタル」と「購入」で異なる

ウォーターサーバーが不要になった場合、サーバー本体をどうすれば良いか迷うかもしれません。そこで今度は、ウォーターサーバー本体の処分について、レンタルと購入の場合に分けて見ていきます。

レンタルサーバーの場合

多くのウォーターサーバーは、サーバー本体をレンタルする形式を採用しています。この場合、毎月レンタル料を支払い、ボトルだけ購入して利用します。

レンタル契約であれば、利用をやめる際に自分で本体を処分する必要はありません。契約しているウォーターサーバー会社に解約の連絡をすれば、スタッフがサーバー本体を引き取りに来てくれます。

ただし、注意したいのが解約時の違約金や引取料金です。

  • 最低契約期間内に解約すると、違約金が発生する場合がある
  • 本体回収の際に、配送料や引取手数料がかかることがある

たとえば、「契約後1年未満の解約は違約金10,000円」というように、約款に条件が定められているケースもあります。契約前に、最低契約期間・解約条件・回収費用の有無を確認しておきましょう。

購入したウォーターサーバーの処分方法

サーバー本体を購入している場合は、不要になっても業者に返品できないケースがほとんどです。自分で処分方法を選択する必要があります。

  • 自治体の粗大ゴミとして処分する

ウォーターサーバー本体を粗大ゴミとして受け付けている自治体であれば、粗大ゴミとして排出する方法が最も一般的です。自治体のルールに従い、粗大ゴミ受付センターへの事前申し込みや、搬入場所・収集日程の確認を行います。

処分料金はサーバーの大きさや重さによって異なり、自治体によって取り扱いの可否も異なります。また、事前予約が必要な地域や、指定場所へ直接搬入を求められる地域もあるため、あらかじめ自治体の案内を確認しておくとスムーズです。

  • 不用品回収業者に依頼する

自治体でウォーターサーバーの受け付けがない場合や、自分で搬入するのが難しい場合は、不用品回収業者に依頼する方法があります。電話やインターネットから簡単に申し込みができ、自宅までスタッフが引き取りに来てくれる点が便利です。

回収費用は業者ごとに幅があり、無料で引き取るところもあれば数千円程度かかる場合もあります。料金体系や追加費用の有無は業者によって異なるため、事前に見積もりを確認し、納得したうえで依頼すると安心です。

  • リサイクルショップに買い取ってもらう

状態が良く、比較的新しいウォーターサーバーであれば、リサイクルショップが買取を行ってくれる可能性があります。出張買取を実施している店舗であれば、自宅に来てもらってそのまま査定・引取ができるため、運ぶ手間が省けます。

ただし、ウォーターサーバーはボトルとの契約を前提に利用される機器のため、再販が難しい場合もあります。機種が古いものや使用感の強いものは買取りが難しいケースも多いため、事前に型番・年式・使用状態を伝えて相談しておくと対応がスムーズです。

  • ネットオークションやフリマアプリで売る

ネットオークションやフリマアプリを利用して売却する方法もあります。自分で価格を設定できるため、うまくいけば高値で手放せる可能性があります。

一方で、ウォーターサーバーは大きく重量があるため、梱包や配送手続きが必要になる点は負担となることがあります。また、購入者が見つかるまで保管スペースを確保しておく必要があり、発送トラブルや配送事故に備えた対応も自己責任となります。

「手間がかかっても納得の価格で売りたい」という場合には向いていますが、利便性を優先する場合は不用品回収業者を利用するほうがスムーズです。

⇒ウォーターサーバーの選び方に関する記事はこちら

ウォーターサーバーのボトル処分に関するよくある質問(Q&A)

Q1. ワンウェイボトルは「燃えるゴミ」と「不燃ゴミ」どちらで捨てればいいですか?

A. ワンウェイボトルはPET樹脂製で、飲料用ペットボトルと同様に「資源ごみ」や「ペットボトルごみ」として分別する自治体が多くなっています。本記事では便宜上「不燃ゴミ」と表記していますが、実際の分別区分は自治体によって異なります。お住まいの市区町村のホームページやゴミ出しガイドを必ず確認し、ルールに従って捨ててください。

Q2. ボトルのキャップやビニールシールも一緒に捨てて大丈夫ですか?

A. キャップや持ち手部分のビニールシールは、ボトル本体と分別区分が異なる場合があります。「プラスチック製容器包装」や「プラごみ」として分けて捨てるよう指定している自治体もあります。基本的には、ボトル本体から外して、それぞれの区分に従って捨てるようにしましょう。

Q3. 空になったガロンボトルを間違えて捨ててしまいました。どうすればよいですか?

A. ガロンボトルは再利用前提の「リターナブル容器」のため、捨ててしまうと買取請求や弁償が必要になる場合があります。気づいた時点で、契約しているウォーターサーバー会社に状況を説明し、指示を仰ぐようにしてください。誤って処分しないよう、ガロンボトルは「専用の保管スペース」を決めておくと安心です。

Q4. 空いたボトルに水道水を入れて、ウォーターサーバーで使ってもいいですか?

A. オススメできません。ボトル内で雑菌が繁殖しやすくなるほか、水道水に含まれるカルキがサーバー内部に付着して故障の原因となるおそれがあります。空きボトルに水道水を入れて再利用するのは避け、必要であれば水道直結型や浄水型のウォーターサーバーの導入を検討してください。

Q5. ウォーターサーバーを解約したい場合、本体やボトルの回収費用はかかりますか?

A. レンタルの場合、最低利用期間内の解約で違約金が発生したり、本体回収時に送料や手数料がかかったりすることがあります。費用の有無や金額は契約内容やメーカーによって異なるため、契約書の約款や公式サイトを確認し、不明点は事前に問い合わせるようにしましょう。購入した本体の場合は、自分で処分方法を選ぶ必要があります。

(まとめ)ウォーターサーバーのボトルの捨て方は?種類によって処分方法が異なる?

ワンウェイボトルかガロンボトルか、ボトルタイプによって捨て方が異なります

ウォーターサーバーの水ボトルは、PET樹脂が素材となった使い捨てのワンウェイボトルと、硬質プラスチック製で業者が回収して再利用するガロンボトルがあります。

空のワンウェイボトルは、潰して不燃ゴミとして捨てることが可能です。空きボトルのキャップやビニールシールは取り除き、空きボトルを小さく潰して回収日に出すようにしましょう。

ガロンボトルはウォーターサーバー業者が回収しにくるので、捨てないで保管しておきましょう。

ウォーターサーバーが不要となったら、レンタルなら業者が引き取ってくれます。

購入した場合は、自治体の粗大ゴミとして捨てる、不用品回収業者に回収してもらう、リサイクルショップに買い取ってもらう、ネットオークションに出品するなどの処分方法があります。